近年、スタートアップの経営者が出口戦略としてM&A(合併・買収)にメリットを感じているという報告が相次いでいます。オーナーズ株式会社が実施した調査によると、109名のスタートアップ経営者の約半数以上が、M&Aを有効な出口戦略の一つとして捉えています。この結果から、多くの企業が成長の過程で自然な選択肢としてM&Aを考え始めていることが窺えます。
調査によると、M&Aを優先的に検討している経営者は28.1%に上り、IPO(株式公開)と並行して検討している経営者は24.6%いることが明らかになりました。さらに、約半数はM&Aが企業の価値をあまり損なうことなく、全体の成長を促進する手段であると感じています。この背景には、M&Aが企業の成長を加速させる手段として適していると認識されていることが一因と考えられます。
しかし、同時にM&Aの選択肢には懸念が伴うことも事実です。経営者の約6割がM&AとIPOの準備の違いを理解しておらず、具体的には適切な買い手の探索や自社価値の正当な評価に対する不安が挙げられています。調査結果では、M&Aを行うにあたっての懸念点として、最も多かったのは「適切な買い手が見つかるか」という点で38.5%が挙げており、続いて「自社の評価が適切か」が29.4%、「M&Aのプロセスがわからない」が24.8%と続きました。
このような不安は、スタートアップが成長していく過程において当然のことですが、解決策を見つけることでスムーズに成功へと導くチャンスに変わります。実際に多くのスタートアップ経営者が、適切な買い手を紹介してくれるM&A支援の必要を感じており、具体的な支援策として「適切な買い手の紹介」が40.4%と最も高い割合で挙げられています。
M&Aは日本国内のスタートアップにとって、成長戦略の重要な一環となってきていますが、実際のプロセスにおいては理解が不十分な場合も多く見受けられます。おそらく、企業の経営者が信頼できる情報源や専門家の助言にアクセスし、正しい知識や戦略を持つことが、上手にM&Aを進めるための鍵となるでしょう。
今後も、スタートアップはさまざまな出口戦略を検討し、資金調達や成長を進めていく中で、M&Aをより有効活用できるよう知識を深めていくことが求められます。
【関連リンク】
オーナーズ株式会社
https://owners-ma.jp/
執筆:DXマガジン編集部