Spiral.AIとヤマトホールディングスは2024年11月12日、訪日観光客向けにAIを活用した観光案内サービスの実証実験を羽田空港で開始しました。このプロジェクトでは、多言語対応の生成AIキャラクター「ケンゾウ」を導入し、訪日観光客の快適な旅行体験の提供と施設スタッフの業務負担軽減を目指しています。今回の取り組みは、観光需要の増加に伴う「言語の壁」の問題を解決し、観光体験の向上を図るものです。
Spiral.AIは、AI技術を社会に実装し、遊び心を大切にしたサービスの開発に注力しており、今回の実証実験では、ヤマトHDが運用するコーポレートベンチャーキャピタルファンド「KURONEKO Innovation Fund(KIF)」の支援を受けています。訪日観光客が言語の違いにより観光体験に課題を抱えている一方で、空港施設や観光案内のスタッフが多言語対応を迫られ、業務負担が重くなるという状況を受け、両社はAIを活用してこれらの問題解決を目指します。実証実験では、生成AI技術を用いたキャラクター「ケンゾウ」を、羽田空港の国際線手荷物カウンターに設置されたサイネージで運用します。このキャラクターは英語や中国語を含む多言語に対応し、空港施設の案内、鉄道利用の説明、宅急便の発送や手荷物一時預かりサービスの案内などを提供します。これにより、訪日観光客に対して便利で快適な旅行サポートを行い、さらにAIの利用がどのように観光マーケティング指標に影響を与えるかについても測定が行われます。
実証期間は2024年11月12日から12月8日までで、羽田空港第2旅客ターミナルと第3旅客ターミナルのヤマト運輸国際線手荷物カウンターで行われます。この取り組みを通じて、AI技術の観光分野への応用可能性を検証し、日本の観光産業の課題解決と訪日観光客の満足度向上を目指します。今後、得られた成果を基にさらなる改善と実用化を図り、訪日観光客の支援を強化する新たなステップへと進むことが期待されています。
レポート/DXマガジン編集部折川