TOPPANは2024年11月15日、自治体向けのBPO事業における審査業務の正確性と効率性を向上させるため、新たな審査支援システムを開発したと発表しました。このシステムは、紙申請とオンライン申請の重複チェックをデジタル化し、自治体が実施する補助金給付業務などでの二重給付防止を目的としています。自治体が保有する基幹システムと連携し、住民個人の識別キーを案件ごとに発行する仕組みによって、紙とオンラインで異なるタイミングで行われた申請でも確実に照合が可能となります。
このシステムの開発背景には、行政サービスのデジタル化が進む中で、デジタルデバイドへの対応として紙申請が併存している現状があります。現行の重複チェックは限られた項目に依存しており、精度や効率面で課題がありました。TOPPANはこの課題を解消するため、申請方法を問わず統一されたワークフローで審査を行えるシステムを構築しました。審査支援システムの特長として、紙とオンライン申請の両方に対応する柔軟な通知方法や、システム化による標準化された品質体制の確立が挙げられます。紙での申請には郵送、オンライン申請にはメールやSMSといった方法を用いることで、申請者の希望に合わせた通知が可能です。また、人手による作業の精度ばらつきを解消し、デジタル化されたワークフローで一貫した品質での審査を実現します。
今後、TOPPANはこのシステムを自治体向け業務にとどまらず、民間企業のキャンペーン事務局業務などにも展開し、広範な分野での活用を目指します。同社は、自治体向けBPO事業全体で2025年度までに約200億円の売上を目指しており、本システムの導入により、行政サービスのDX推進や業務効率化に大きく寄与することを期待しています。
レポート/DXマガジン編集部折川