日立システムズはサプライチェーン全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「SCM企業間連携サービス」の提供を開始しました。このサービスは、企業間で販売実績や在庫、物流などのデータを共有し、サプライチェーン全体の効率化を図ることを目的としています。データの「サイロ化」と呼ばれる課題を解消し、情報の可視化を実現することで、在庫量の適切な調整や販売機会ロスの防止、生産および発注計画の最適化に貢献します。また、運用費用は月額20万円からと低価格に設定されており、中堅・中小企業でも導入しやすい特徴を持っています。
このサービスは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を基盤に構築され、複数のシステムにまたがる情報を一元的に管理します。データはアクセス制御のもと、サプライチェーン上の各企業がリアルタイムで参照可能であり、需要予測や生産計画の立案に役立てられます。さらに、日立システムズは自社の豊富な経験とノウハウを活かし、導入企業へのコンサルティングやシステムインテグレーション(SI)サービスを提供し、経営や現場の課題解決を支援します。
概念実証(PoC)の結果として、スーパーマーケットとPB(プライベートブランド)日配品製造会社の事例では、年間売上の大幅な増加が確認されました。生産計画の効率化や廃棄ロスの削減、販売機会ロスの防止といった具体的な成果が得られ、サプライチェーン全体での業務効率化に大きく貢献しています。
日立システムズは今後も、物流効率化や配送計画の適正化といった機能の充実を図り、DX推進に向けた幅広いサービスを提供していく予定です。また、同社が展開する「Hitachi Systems Managed Services」やグループ会社のリソースを活用し、運用を総合的にサポートする方針です。2027年度までに累計10億円の売上を目指し、企業の持続可能な事業運営と競争力の強化に貢献することを目指しています。
レポート/DXマガジン編集部折川