ANDREESSEN HOROWITZの「第5版 Top 100 Gen AI Consumer Apps」は、コンシューマ向け生成AIエコシステムが収束しつつあることを示しています。最大の発見は「エコシステムの安定化」で、Web版ではトラフィック増加により新規参入が11社にとどまる一方、モバイル版では14社と相対的に多く、App Storeの「ChatGPTコピーアプリ」取り締まりが差別化された独自性のあるアプリに道を開いた点が指摘されています。今回からGoogleのプロダクトを個別集計したことで、GeminiやAI Studio、NotebookLM、Google Labsの4製品がWeb版にランクインし、Googleの存在感が拡大していることも特徴です。

汎用LLMアシスタントではChatGPTが依然トップに位置し、GrokはWebで4位、モバイルで23位に入り、2025年7月のGrok 4とAIアバター導入でモバイル利用が約40%増加するなど成長が目立ちます。Meta AIは5月末登場後、6月の公開フィード問題で信頼性に打撃を受け、Webで46、モバイルは圏外となりました。ClaudeはWebで成長を続け、Perplexityも強い伸びを示す一方、DeepSeekはモバイルでピークから22%減、Webではピークから40%以上の減少を記録しました。
国別の特徴としては、米国系サービスが市場の主導権を握る一方、中国発サービスの存在感も強まっています。Web版トップ20にはQuark(アリババ)、Doubao(バイトダンス)、Kimiなどがランクインし、モバイル版では50本中22本が中国開発という比率も示されています。中国国内では非中国系サービスへの直接アクセスが制限されるため、ライセンスやデータ国内保管、検閲対応が必須となっており、その制約の下で国内向けに最適化されたサービスが強さを発揮しています。また、中国発の多くは国外利用が主流のサービスもあり、特に動画生成分野で優勢を示す点が際立っています。
地域別の分布を見ると、All Starsとして常連化した企業群は米国を中心に英国、豪州、中国、フランスなどにまたがっており、MidjourneyやLeonardo、Eleven Labs、Veed、Cutoutなどが名を連ねています。これらはモデル性能だけでなく、プロダクトとしての完成度や配信チャネルでの強さが評価されていることを示しています。タイトルにもあるように、今回のリストでは米中の勢力が目立ち、韓国企業がトップ100で目立たなくなっている点も観察されています。
カテゴリ別では写真・動画系の強さが顕著で、モバイルでの中国系アプリの比率が高いことから、モバイルネイティブのビジュアル系ユースケースがグローバルでも需要を牽引していることが分かります。音声・音楽生成や編集系、バイブコーディング(Vibe Coding)などの分野でも継続率や収益リテンションの高さが確認され、LovableやReplitのようなツールが実際の利用継続とトラフィックを集めています。
ブリンクリスト(次点)としてトップ100に惜しくも入らなかった次点10社も公表され、前回の次点から本リスト入りを果たしたサービス例もあることから、モバイルを中心に独自性やUXでの差別化が成長の鍵となっていることが分かります。調査はWeb Top50がSimilarwebの月間ユニーク訪問数、モバイル Top50がSensor Towerの月間アクティブユーザー数を基準とし、CanvaやNotionのようにAI機能を追加しただけの非AIネイティブ製品は対象外とされています。
今回の第5版は、生成AIが日常利用へ浸透している流れを2年半のデータで示し、プラットフォームごとの動向、カテゴリ別の優勢、国ごとの特性(米国の主導、Googleのプロダクト拡大、中国の動画優位とモバイルシェア)を整理しています。
詳しくは「ANDREESSEN HOROWITZ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松






















