富士通とエヌビディアが戦略的協業を拡大し、FUJITSU‑MONAKAとNVLink FusionでCPUとGPUを高密結合したフルスタックAI基盤を共同開発します。領域特化型の自律進化するAIエージェントで、製造・ヘルスケア・ロボティクスなど産業横断のDX導入を加速させます。
次世代フルスタックAI基盤がもたらす実務的インパクト
富士通とエヌビディアは、企業の主体性を保ちながらAIによる競争力強化を支援するフルスタックAIインフラストラクチャの構築を目指と発表しました。両社は、当社のCPU「FUJITSU‑MONAKA」シリーズとエヌビディアのGPUを「NVIDIA NVLink Fusion」で密に接続し、ゼタスケールを見据えた高速AIコンピューティング基盤を共同で開発します。これにより、従来の汎用コンピューティングの限界を克服し、産業用途で求められる高性能と省電力の両立を実現しようとしています。
産業向けには、富士通のAIサービス基盤「Fujitsu Kozuchi」を核に、領域特化型のAIエージェントプラットフォームを共同で開発します。ここでは「AI Computing Broker」や「AI Workload Orchestrator」といった最適化技術を組み合わせ、「NVIDIA Dynamo」「NVIDIA NeMo」と融合させてマルチテナント対応の高速・高セキュリティな環境を整備します。富士通独自のマルチAIエージェント技術や「Takane」モデルの最適化により、ヘルスケアや製造業など特定分野に即した自律進化型のAIエージェントを迅速に構築できる点が特徴です。
このプラットフォームは、開発したAIエージェントを「NVIDIA NIMマイクロサービス」を通じて提供することで、企業が自社ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点を重視しています。さらに、シリコンレベルからハードウェアとソフトウェアを共同最適化する戦略により、Arm向け高速ソフトウェア技術と「CUDA」統合を含むHPC‑AIエコシステムをワンストップで提供する計画です。これが実用化されれば、ものづくりのデジタルツインやフィジカルAIを使った現場自動化など、産業現場のDX実装が大幅に加速します。
両社はまた、パートナーエコシステムやパートナープログラムを通じてカスタマーエンゲージメントを推進し、ユースケース開発を特定産業から順次広げていきます。ロボティクス分野を起点にフィジカルAIの社会実装を図り、労働力不足の解消や創造性の向上といった社会課題への貢献を目指します。最終的には、2030年までに日本のデジタル社会に不可欠な社会基盤として本AIインフラを確立し、エンタープライズAI市場の成長を後押しする計画です。
富士通の時田社長は、両社の技術を掛け合わせることで産業競争力を強化し、将来的には量子技術なども含む先端技術とのシナジーを見据えると述べています。一方、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、富士通をスーパーコンピューティングやエンタープライズ領域で信頼されるパートナーと位置づけ、強固な協業関係の構築を強調しました。両社の協業は、企業が実際にAIを業務に組み込み、継続的に進化させるインフラを提供する点で、国内外のDX潮流に重要な影を与える可能性があります。
詳しくは「富士通株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















