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世界の企業、AI投資は加速も管理体制は不十分…日本は?

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AIへの投資が加速する一方で、管理の抜け穴が深刻化しています。英国規格協会(BSI)が10月28日に発表した調査は、経営層の期待と現場のガバナンス整備の乖離を鮮明に示しています。世界のリーダー850名超の回答と123社の年次報告書分析から、投資拡大と管理不備が同時に進行している実態が浮かび上がりました。

ガバナンスの現状と地域差が示すリスク

BSIの調査によれば、世界のビジネスリーダーの62%が今後1年でAI投資を拡大する意向を示し、61%が生産性向上、49%がコスト削減を主目的と答えています。しかし、AIガバナンスプログラムを保有すると回答した企業は全体で4分の1未満にとどまり、大企業でも3分の1強に留まります。日本は特に遅れており、全体でわずか10%、大企業でも39%という低水準です。さらに、どのデータをAIに使っているかを把握している経営者は全体で28%、日本は18%にとどまり、機密データの訓練利用に明確なプロセスを持つ企業は全体で40%、日本は12%に過ぎません。これらの数値は、データ管理の不透明さがプライバシー侵害や知的財産リスク、モデルの偏りを招く可能性を示しています。

運用面の脆弱性と人的対応の軽視

正式なリスク評価プロセスを有する企業は全体で30%に満たず、AIインシデントの記録・対応体制を持つ企業も約3分の1にとどまります。従業員によるAIツール利用の監視は世界で25%、日本では9%と極めて低く、未承認ツールの使用制限も日本は12%にとどまります。教育面でも年次報告書では「自動化」の言及が「スキルアップ」を大きく上回り、専用の学習プログラムを持つ企業は3分の1程度、国内は16%です。とはいえ、安全な利用に関する研修を受けたと答えた割合は世界で64%、日本は26%と報告されており、研修は行われているものの能動的な人材育成や運用ルールの整備は追い付いていない様子が浮かびます。

BSIの提起と規格の位置づけ

BSIのCEO、スーザン・テイラー・マーティン氏は、AIの可能性を認めつつもガバナンス強化の必要性を強く訴えています。過信や断片的な管理は評判失墜や不測の損失を招くと警鐘を鳴らし、能動的かつ包括的なAIガバナンスへの転換を促しています。なおBSIは2023年にAIマネジメントシステム規格(ISO/IEC 42001)を発行しており、規格や認証を通じたガバナンス整備の道筋も示されています。今回の調査は、投資の熱狂と管理の空白が共存する現実を明示しており、業界や地域差に応じた対応が求められると結論づけています。

詳しくは「英国規格協会」の公式ページまで。

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