郵便料金の値上げから1年、リンクスの調査で約8割の企業が郵送の電子化や業務効率化に着手したことがわかりました。とくにSMSの利用・検討率は前回比+20.5ポイントと急伸し、到達率や即時性が企業の注目を集めています。
電子化の現状とSMSの実務的価値

リンクスが全国の会社員・経営者・役員440名を対象に実施した調査によれば、郵便料金値上げを受けて約8割の企業が何らかの対策を講じています。対策の内訳は「郵送の電子化(請求書、契約書、通知等)」が49.8%で最多、次いで「社内業務フローの効率化」が43.9%、「発送頻度の見直し」が42.5%でした。業種や企業規模による差が明確で、情報通信業や製造業では電子化が進み、医療・福祉や従業員1〜49名規模の中小企業では遅れが目立ちます。

郵送業務の電子化状況を見ると、「全ての電子化が完了している」は13.4%、「一部が完了している」は43.2%、「着手している」が19.8%で、約8割の企業が何らかの形で電子化に関与しています。電子化で期待される効果は「郵送コスト削減(66.6%)」「業務時間の短縮(33.7%)」「不着・誤送付の減少(23.3%)」が上位であり、実務的な成果を見据えた取り組みが進んでいます。

コスト面の実感では、郵送コストが増加した企業の平均増加率は34.3%、一方でコスト削減に成功した企業は平均で35.1%の削減を実感しています。増加理由には用紙や封筒、保管スペース、人件費の増加が挙がり、完全なペーパーレス化に至らない業務では料金上昇が直撃する構図がされています。

電子化ツールの利用意向では「Eメール」が94.3%で最多ですが、注目すべきは「SMS(ショートメッセージサービス)」で、利用・検討率は83.9%に達し、前回比+20.5ポイントと急伸しました。SMSは「高い到達率」「即時性」「開封率の高さ」が評価されており、約半数がこれらをメリットとして実感しています。業種別では金融・証券・保険や情報通信が本人確認・認証で活用し、サービス業は配達通知、商社・小売は契約内容確認など、用途が業務特性に応じて広がっています。

将来的な値上げに備え、「全面電子化や電子化範囲の拡大」を検討すると回答した企業は65.1%に上り、製造業では81.8%、情報通信業では80.0%と高い意向が示されました。一方で対策未実施の理由として「特に理由はない」が62.3%と最も多く、導入コストや合意形成の課題から検討が止まっている層が依然として存在します。
全体として、郵便値上げが企業の通知・請求・契約まわりのDXを後押ししていることは明らかです。SMSは「確実に届けたい」「すぐ読ませたい」という実務ニーズに合致する手段として評価されており、Eメールや電子契約と組み合わせたチャネル最適化が進むと考えられます。短期のコスト削減と長期の業務変革を両立させるためには、ツール選定と社内合意形成を同時に進める支援が有効でしょう。
詳しくは「株式会社リンクス」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















