デジタル庁が2025年6月時点で公表した「活動報告」は、社会のデジタル化の現在地と、誰一人取り残さないという理念のもとで進められた取組の成果を示したものです。本稿では、その活動報告を現在の観点で俯瞰して振り返りますが、記載内容は公表当時のものに準拠しています。デジタル活用により、多様な幸せが実現できる社会像を掲げ、成長戦略、準公共分野のデジタル化、地域活性化、包摂、人材育成、DFFT推進という六つの姿を提示した点は、当時の重点を的確に映しています。読者が実務に落とし込む際には、当時示された指標や期日を起点に、自組織の進捗確認とロードマップ整合を図ることが重要です。政策意図の理解を深め、運用ルールや組織体制と合わせて読み解くことで、現場での実装力を高められます。
生活者体験の変化を現在の視点で捉える マイナポータル起点のオンライン化
活動報告は、マイナポータルによる24時間手続や、引越し、パスポート、子育て、介護などのオンライン化が進んだことを示しています。e-Taxではマイナポータル経由の一括取得と自動入力で所要時間が短縮されたと整理され、マイナンバーカードの保有は約8割に達した旨を示しています。マイナ保険証の開始、2025年3月開始のマイナ免許証、2024年6月のデジタル認証アプリのリリースも、当時の到達点として記載されています。救急現場閲覧や高額療養費の窓口負担軽減、避難所運営の約90%業務削減など、もしもの時の支援も明確です。2024年3月のマイナポータル全面リニューアルや出生届のオンライン提出と同時申請も含まれます。これらは当時の事実として整理されており、実務では案内導線のオンライン前提化や本人確認運用の整備を併走させることが求められます。
事業と地域の変化を現在の観点で点検 アナログ規制見直しと準公共分野の基盤
公表当時、政府はアナログ規制8,162条項のうち7,983条項を見直し、見直し率97.8%を示しています。自治体支援の強化により、見直しに取り組む団体割合は2024年4月末22%から2025年3月末43%に拡大と整理されています。技術カタログは2025年7月時点で226件を掲載し、ドローン点検や劣化予測AIなどの実装事例が監査や維持管理に寄与したと記されています。手続基盤では、GビズIDが累計124万件、接続サービス217、e-Gov、Jグランツ、GEPSの活用が示されています。準公共領域では、PMHの導入が2025年度までに累計約600自治体の予定、D-CERTの創設、教育DXロードマップ改定、モビリティ・ロードマップ2025の推進が記録されています。地域と事業のデータ連携に関しては、新交付金の活用や都道府県の基盤共同利用、DFFT具体化の国際枠組みIAPの推進が示されています。企業や自治体は、当時のKPIや予定時期を基準に自己点検し、接続数や導入準備の達成度を確認すると良いでしょう。
行政基盤の刷新を現在の視点でレビュー 共通化とAI活用、可視化の拡充
行政情報システムは個別から共通・共同へと舵を切り、GSSは14機関で導入、接続ユーザー4.5万人、ガバメントクラウドは4,892システムが利用と整理されています。地方公共団体の基幹業務システムは、原則2025年度末までに標準準拠システムへ移行完了を目指すと示されています。AI活用では、2025年5月の生成AI調達・利活用ガイドライン策定、庁内生成AI利用環境の利用者950名、延べ65,000回の利用、マイナンバーカード対面確認アプリやiPhone対応など、内製による迅速提供が記されています。政策の見える化は、16の政策ダッシュボード、Japan Dashboardで691指標を7カテゴリに整理し、オープンデータは88%、1,564団体が利活用とされています。現場は、標準化移行の工程管理、クラウド最適化、生成AIの安全な試行導入やダッシュボード指標での効果検証を、当時の整理に沿って進めることが有効です。
今後の取組を現在の観点で確認 社会全体のデジタル改革と組織進化
2025年6月の重点計画は、行政DXの成果を土台に社会全体のデジタル改革へ進む方針を明確にしています。人口減少や労働力不足、災害とインフラの持続可能性、サイバー脅威、デジタル人材不足、不安やためらいへの対応、AI社会実装や国際情勢の変化が課題として整理されています。デジタル庁は、AI徹底活用、AIフレンドリーな環境整備、競争と成長のための協調、安全安心の確保、DX推進力強化の五つの柱を掲げ、政府AI基盤「ガバメントAI」の構築、CAIO体制整備、デジタル法制審査の推進を示しています。利用者視点では、新たなマイナアプリを2026年8月、事業者向け入口をGビズポータルに統合し2026年春アルファ版とする方針、ベース・レジストリ整備、データ利活用制度設計、DFFTの具体化、国と地方の最適化が挙げられています。組織面は「デジタル庁2.0」として、約1,500人規模の混成体制、AI・データ前提の運営、政策立案と内製開発の両輪化、関係者との価値共創を進めると示されています。読者は、当時の計画と現在の自組織の実装状況を照合し、ギャップを特定して埋めるアクションを設定することが肝要です。
詳しくは「デジタル庁」の公式ページまで。





















