インド政府の経済見通しによると、同国の名目GDPは4兆1800億ドルに達し、日本を抜いて世界4位になったとしています。政府は今後2年半から3年でドイツを抜き、世界3位に浮上するシナリオも示しました。一方で、公式な順位の確定は2026年に公表される確定値を待つ必要があり、国際通貨基金はインドが日本を上回るのは来年と見込んでいます。統計の暫定値と確定値のタイムラグ、推計機関の前提の違いが見解の差を生んでいる点に留意が必要です。
インド政府の説明資料は、同国を「世界で最も急速に成長している主要経済の一つ」と位置づけ、成長の持続可能性を強調しました。名目GDPが4兆1800億ドルに達したとする主張に加え、2030年には7兆3000億ドルへ拡大するとの予測も明記されています。IMFの推計では、2026年時点でインドは4兆5100億ドル、日本は4兆4600億ドルと見込まれており、近い将来の逆転は広く想定されています。ただし、為替レートやデフレーターなど名目値に影響する要因は変動しやすく、四半期ごとの上下で順位が入れ替わる可能性もあります。企業は単年の名目規模だけでなく、中期の成長率と為替感応度を合わせて評価する視点が重要です。
人口動態では、インドは2023年に中国を抜き世界最多人口となりました。若年人口の厚みが内需の拡大余地と労働供給の強みをもたらす一方、雇用創出という難題も突きつけています。政府統計によれば、14億人のうち4分の1以上が10〜26歳であり、高付加価値の雇用を十分に供給できていない現実があります。加えて、一人当たりGDPは2024年時点で2694ドルとされ、日本の3万2487ドル、ドイツの5万6103ドルに大きく及びません。マクロ規模の拡大と生活水準の向上は別物であり、所得分布やスキル育成への政策対応が持続成長の鍵を握ります。日本企業は、消費拡大分野と人材投資領域を見極め、段階的に市場参入とサプライチェーン最適化を進めるべきです。






















