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Gemini in BigQueryでデータ活用 すかいらーくの生成AI活用最前線

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ガストやジョナサン、バーミヤンなどを展開するすかいらーくホールディングスが、店舗オペレーションとデータ活用の両面で生成AIを実装しています。店舗では挨拶を可視化する「いらあり」プロジェクトを進め、業務部門では Gemini in BigQuery によりデータの民主化を推進しました。開発加速には Google Cloud の TAP を用い、プロトタイプ構築までを短期間で実現しています。売上要因分析や店舗別PLの活用、新規出店予測の高度化など、実務に直結するユースケースが複数で進行中です。検証段階の課題も明示しつつ、精度向上と低コスト運用を視野に入れた継続的な改善が進められています。

挨拶を測る「いらあり」プロジェクトが目指すサービス品質の底上げ

すかいらーくでは、配膳ロボットやセルフレジの普及で効率化が進む一方、接客の物理的接点が減少する状況を踏まえ、挨拶の発話を計測してサービスの質を高める取り組みを進めています。店舗に元々あるデバイスを活用し、スタッフの発話をAIで分析する手法を採用しています。全時間帯の音声を処理するのではなく、AIカメラ連携で必要箇所のみを抽出する工夫により、運用負荷の抑制を図っています。発話率や挨拶のクオリティなどの分析結果は営業チームと共有され、効果検証に用いられています。検証段階である現時点では、発話の見逃しやスコア精度に課題が残っているとし、蓄積データに基づくプロンプト調整で改善を続ける方針です。低コストかつ高精度な分析基盤としての完成度を高めることが、プロジェクトの次の目標に据えられています。

開発の加速には Google Cloud が提供する Technical Acceleration Program を活用し、設計議論からプロトタイプまでを2日間で完了させています。独自開発では2〜3か月かかる想定だった工程を短縮できた点は、スピードだけでなく技術方針の転換にも結びつきました。従来なら音声データを一度 Cloud Storage に置き、プログラムから処理する構成を想定していたといいます。最終的には BigQuery から直接 Storage のデータを書き起こし処理まで行うシンプルな構成に整理され、最新機能を踏まえた運用性の高いアーキテクチャへと更新されました。こうした意思決定は、現場の要件とクラウドサービスの進化を迅速に接続する実践的プログラムの効用を示しています。短期での試作が可能となったことで、精度向上に向けた継続的な改善サイクルを回しやすくなった点もメリットです。運用フェーズへの移行を見据えた検証が、課題抽出と改善を加速させています。

もう一つの柱が、Gemini in BigQuery を基盤とした部門横断のデータ活用です。2025年8月から11月のPoCでは、複数のユースケースで生成AIと分析基盤を組み合わせた新たな業務フローを検証しました。BigQueryのAI関数を用い、自社の1st Partyデータに加えて、ウェブ上のリアルタイム情報や気象実績、予報などを組み合わせた高度分析を実現しています。これにより、従来は多大な労力を要した売上変動要因の特定が、自然言語の問いかけで多角的に行えるようになりました。店舗別PLについても、分散管理されていたデータをBigQueryに集約し、部門横断での直接分析が可能になっています。現場の担当者が肌感覚で見つける違和感を、そのまま分析に反映し試行錯誤できる環境が整い、意識の変化が生まれているといいます。分析業務を自分事として捉える姿勢は、改善のスピードと幅を広げる効果を生んでいます。

新規出店に関わる売上予測では、Gemini in BigQuery の Data Science Agent を導入し、非データサイエンティストでもトライアンドエラーを通じて予測精度を高められる仕組みを構築しています。これまで表計算ソフトと暗黙知に依存していたプロセスに、生成AIと分析基盤が加わることで、プロセスの透明性と再現性が向上しています。プロジェクトの過程では、街路樹による視認性や駐車場の配置といった経験則を用い、人がAIの予測結果を補正する場面もありました。現在は、こうした経験則を可能な限り数値化し、分析モデルに組み込む取り組みを進めています。技術と業務の垣根が低くなったことで、現場が主体的にデータに向き合い、成功事例の積み上げによる組織内の定着が期待されています。社内での活用が広がるほど、モデルの改善サイクルも加速し、データドリブン経営の実効性が増す見通しです。結果として、出店や運営の意思決定における精度とスピードの両立が現実味を帯びています。

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