富士通株式会社は、NVIDIAとの協業による最初の成果として、Physical AIとAIエージェントをシームレスに連携させる「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」を開発しました。NVIDIAのソフトウェアスタックと富士通の技術を統合し、機密性の高い業務ワークフローをセキュアに自動化するマルチAIエージェントフレームワークをコア機能として公開しています。第一弾として、大規模言語モデル「Takane」をベースにした「Fujitsu Kozuchi AI Agent」を搭載し、購買部門の調達業務を対象とする特化型エージェントを提供します。企業内外にまたがる事務処理や部門間調整など、複雑なワークフローへのAI適用が進みにくい課題に対し、保守性とセキュアな処理を両立する枠組みを示しました。今後は、Physical AI技術の順次公開により適用領域を広げていく計画です。公開日は2025年12月24日です。
本技術は、NVIDIA NIMマイクロサービスを取り込み、バージョン管理やアップデート機能を通じて保守性の向上を図っています。ビジュアルな設計インターフェースで業務ワークフローを構築でき、Fujitsu Composite AIにより「Fujitsu Kozuchi」のNIM対応コア技術や特化型「Takane」を自動で組み合わせ可能です。これにより、マルチAIエージェントを活用した業務自動化を短手番で設計できるようにしました。さらに、セキュアエージェントゲートウェイを用いて、ワークフロー内で扱う機密情報の共有や処理を安全に制御します。AIエージェント間の連携を前提とした構成により、複雑なタスクの分解と統合を安全かつ一貫性をもって進められます。業務ルールの更新や差分反映にも対応し、運用時の変更管理を簡素化します。
購買部門の調達業務に向けた特化型AIエージェントは、帳票理解、購買規約解析、適合チェックの三機能で構成されます。 帳票理解エージェントは、マルチヘッダを含む複雑な帳票を高精度に解析し、構造化データへ変換します。 購買規約解析エージェントは、規約内容を解析してチェック用プロンプトを生成します。 適合チェックエージェントは、構造化データとチェック用プロンプトを用い、規約適合の自動判定を実行します。 適合チェック済みの見積依頼は、セキュアエージェントゲートウェイで機密情報の有無を確認した上で、社外の発注先に送信されます。 富士通の購買部門での実証実験では、三つの特化型エージェントにより発注確認業務の工数を約50%削減する効果を確認しました。 さらに、NIM対応により推論速度が50%向上する見込みで、日次で数百件規模の社内規約適合チェックの高速化が期待されます。
マルチAIエージェントフレームワークは、セキュアな自動化と保守性の両立を支える基盤として位置付けられています。ビジュアル設計によりワークフローの構築と見直しを容易にし、Composite AIがタスクに適した技術の選定と組み合わせを自動化します。セキュアエージェントゲートウェイは、社内外のデータ境界を明確にして情報漏えいリスクを抑制し、安全な外部送受信を実現します。NIMの採用は、長期運用で欠かせないバージョン管理や品質担保に寄与し、アップデートや拡張を段階的に進めるための土台となります。トライアル環境の提供開始により、導入検証や適用シナリオの拡充を進めることが可能です。業務要件に合わせた構成変更にも対応でき、実運用での改善サイクルを回しやすくします。
今後については、ソブリン領域に向けてNVIDIAと協力し、2025年度中に顧客環境でAIが自律的に学習し進化するエージェント技術へ発展させる計画が示されています。さらに、AIエージェントが物理的なロボットと連携して現実世界へ直接作用するPhysical AI領域に順次拡張します。業務理解を備えた複数ロボットが高度に協調する社会の実現を目指し、企業の多様なニーズに応える研究開発を継続します。専門業務領域の課題解決を支援し、AIエージェントとPhysical AI活用の新たな可能性を拓く取り組みが継続されます。企業規模や業種に応じた適用の広がりが見込まれ、機密性の高いワークフローにも適合する堅牢な自動化基盤としての展開が期待されます。
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