平成のティーンズカルチャーが、なぜ今また熱いのでしょうか。プリクラ、ガラケー、ルーズソックス。Z世代は懐かしさと新鮮さを同時に感じています。クロスマーケティングは「平成レトロ」の魅力と背景、活用事例を整理しました。家族で共有できる体験価値やSNS拡散の強さが浮かび上がります。企業がどこに着眼すべきか、事例の要点を確認します。
「懐かしいのに新しい」が拡散力を生む。アナログ体験と復刻デザインが商品価値を底上げ
平成レトロは、1989年から2010年代前半のポップな文化やプロダクトを現代的に楽しむ動きです。プリクラやガラケー、ルーズソックス、ギャル文字、ラメ小物、ガチャガチャが象徴です。Z世代には幼少期の記憶と結びつく「懐かしさ」と、未体験ゆえの「新しさ」の両面が働きます。10代前半には未知のカルチャーとして映り、強い探索意欲を生みます。結果として、消費への転換が起きやすい状態になります。家族間の会話が生まれやすい点も特徴です。
アナログの手触りが価値になります。写ルンですやフィルムカメラは不便さごと楽しむ体験が支持されます。撮ってすぐ見られない偶然性や、物理ボタンの操作感が魅力です。生産終了品の希少性も選好を後押しします。SNSでは色彩の強い平成的デザインが映え、自然な拡散が起きます。プリクラ風のフォトスポットやレトロパッケージは、写真投稿のトリガーになります。広告投下前にユーザー発信が起点になる動線ができ上がります。
実際のコンテンツでも潮流は鮮明です。ファッションはY2Kと接近し、厚底シューズとルーズソックス、ミニ丈やショート丈が再評価されています。ギャル文化は当時感を残しつつ今の価値観で調整されています。アイテムではガラケーの折りたたみ、物理キーの触感、プリクラ初期の写りや落書き機能が支持を集めます。たまごっちはシンプルな育成要素が差別化要因です。「不完全さ」や「制限」が魅力として機能しています。アニメや音楽も再燃し、宇多田ヒカルや安室奈美恵、モーニング娘。の楽曲利用が広がっています。
企業の取り組みも具体化しています。味の素は昭和から平成初期の復刻パッケージで家族内の共通話題を創出しました。SNSで「親が喜んでいた」といった投稿が連鎖し、写真シェアが自然増しました。日本マクドナルドは「平成バーガー」「平成シェイク」を展開し、ルーズソックスやプリクラなどの記号を現代的にアレンジしました。懐かしさと今っぽさの均衡で、幅広い層に届く表現です。コカ・コーラは「New Coke」の限定復刻を通じ、ブランドの歴史を資産化しました。体験者にはノスタルジーを、若年層には希少価値を訴求します。
活用の勘所は三つに整理できます。第一に、当時の再現に終始せず、今の感性に合わせた再構築が肝要です。安全性やサイズ感、表現のアップデートが前提です。第二に、写真や動画での見映えを設計し、SNSで自然に語られる余白を作ります。プリクラ風の演出やレトロ配色など視覚の強度が効果を生みます。第三に、親世代と子ども世代の橋渡しを前提に、家族で共有できる体験導線を用意します。店舗内フォトスポットや復刻パッケージの同時展開が有効です。
最後に見解を二点述べます。平成レトロは「不便の価値」を再発見する潮流で、商品と体験を一体で設計するほど成果が高まります。復刻はゴールではなく起点であり、現代の利用シーンに合わせた調整が差を生みます。
詳しくは「株式会社クロスマーケティング」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















