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東武鉄道、東武線全線で実質再エネ100%へ 電車運行のCO2約21万トンを削減

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東武鉄道株式会社は、2026年4月1日から東武線全線で使用する電力相当を再生可能エネルギー由来の電力に置き換え、電車運行にかかるCO2排出量の実質ゼロを実現します。対象は電車の走行のみならず、駅や信号、踏切設備などの電力も含みます。年間で約4億9千万kWhの使用電力量に相当するCO2約21万2千トンが実質ゼロになります。取り組みには東京電力エナジーパートナー株式会社のFIT非化石証書を活用したメニューなどを用います。これにより、鉄道事業で掲げる2030年度のCO2排出量50%削減目標や、東武グループ全体の2030年度30%削減目標の早期達成が見込まれます。東武鉄道は従来からの省エネルギー施策に加え、グループ全体で環境負荷低減を進めます。

東武線全線での実施範囲と効果 年間約4億9千万kWhを置き換え

東武鉄道は、関東の私鉄で最長となる営業キロ463.3キロの全12路線を対象に取り組みを実施します。対象には伊勢崎線や日光線、東武アーバンパークライン、東上線などの全線が含まれます。年間輸送人員は約8.5億人で、鉄道事業としての電力使用規模は大きく、今回の実施により電車運行と駅施設などに係る電力が実質再生可能エネルギー100%になります。すでに日光・鬼怒川エリアの電車や同エリアへの特急列車、関連施設では置き換えが進んでおり、これを全線へ拡大する形です。2024年度実績ベースで、使用電力量約4億9千万kWhに対し、CO2約21万2千トンの削減効果が見込まれます。これらの数値は実施の根拠として提示されており、施策の規模感と効果が明確に示されています。

実施開始日とスキーム FIT非化石証書の活用と地域連携

実施開始日は2026年4月1日で、東武線全線の電力相当を置き換えます。スキームは東京電力エナジーパートナー株式会社のFIT非化石証書を活用したメニューなどを用いるものです。再エネ指定の非化石証書により、調整後排出係数を0.000kg CO2 per kWhとすることで、実質的に再生可能エネルギーによる電気として扱われます。供給される非化石証明書付電力の一部にはトラッキング付FIT非化石証書を用い、東武グループが保有する太陽光発電の環境価値を反映します。さらに沿線地域の太陽光発電の環境価値も積極的に取り込む方針で、地域の脱炭素化に資する枠組みとしています。電力の環境価値を可視化しながら運用することで、実質ゼロの達成に必要な証書のトレーサビリティが確保されます。

車両と設備の省エネ施策 消費電力量を段階的に低減

東武鉄道は、環境負荷低減の重要課題として省エネルギー化を継続して実施しています。新型車両の導入では、軽量アルミ車体や高効率モーター、VVVFインバータ制御の最適化により、従来車両比で消費電力量を約40%削減しています。近年の導入実績として80000系は2025年から運行を開始し、90000系は2026年に運行開始予定とされています。設備面では回生電力貯蔵装置を大宮公園駅と上福岡駅構内に設置し、ブレーキ時の回生電力を吸収、加速時に供給することで年間約70万kWhを削減しています。さらに電力回生インバータ装置を複数の変電所に設置し、回生電力を交流に変換して電灯や信号設備に活用し、年間約90万kWhを削減しています。これらの取り組みが、実質再生可能エネルギー100%の受け皿となる効率的な電力利用に結び付いています。

再エネ事業への参画と電力の地産地消 グループ横断で推進

東武鉄道は、株式会社日本政策投資銀行や私鉄各社と共同で、合同会社RDソーラーパワーに出資しています。青森県上北郡六ヶ所村の太陽光発電所は2029年の運転開始予定で、同所からの再生可能エネルギー供給を受けることで鉄道事業のCO2排出削減を進めます。グループ内では東武商事株式会社が提供する東武のでんき グリーンプラスへの契約切り替えを推進しています。このプランは再生可能エネルギー由来の非化石証書を付与し、CO2排出量の実質ゼロを実現します。現在は東武グループ38社が契約しており、今後も順次切り替えを進めるとしています。グループのネットワークを活かし、GHG排出量削減への貢献を広げる体制です。電力の環境価値を一体的に活用することで、グループ全体での環境負荷低減を加速します。

バイオ燃料バスの本格運行 地域循環モデルでゼロカーボンに貢献

東武バス日光は、2025年8月から日光営業所管内で廃食油由来のバイオ燃料バスの本格運行を開始しています。対象路線には奥日光エリアの中禅寺温泉や湯元温泉行きのバスが含まれます。日光営業所の敷地内には、廃食油からバイオディーゼル燃料混合軽油B5を精製するプラントを新設し、本格運行に合わせて順次稼働を開始しています。栃木県内の東武グループ施設で発生する廃食油を回収し、プラントで精製した燃料を自社路線で利用する仕組みを構築しました。この取り組みはエネルギーの地産地消サイクルを実現し、CO2排出量の削減に加えて地域資源の域内循環を促します。日光市の地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例への貢献も掲げられており、鉄道とバスの両輪で脱炭素を進める姿勢が示されています。

まとめと実務での活用ポイント 電力切替と省エネ投資を一体で進める

今回の全線展開は、電力の環境価値を活用しつつ、省エネ技術で実使用量を下げる二層構えが特徴です。非化石証書の活用により実質ゼロを達成しながら、回生電力設備や省エネ車両で基礎消費を下げることで、環境価値調達の効率が高まります。グループ内の電力契約を再エネプランへ統一し、さらに自社や地域の再エネ価値を取り込むことで、長期的な安定運用と地域貢献を両立しています。開始日や対象範囲、定量的な効果が明確であり、進捗の検証も可能です。バス事業の地産地消モデルは、鉄道以外のモビリティや施設運営にも展開可能な仕組みとして位置付けられています。

詳細は東武鉄道株式会社の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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