電通キャッシュレス・プロジェクトは、全国の20歳から79歳の1,111人を対象に、2025年12月12日から14日にかけて第8回「生活者のキャッシュレス意識調査」を実施しました。2018年から継続する同調査は、生活者の決済手段の変化を把握することを目的に行われています。今回の結果では、ゴールドやプラチナなど年会費が必要なプレミアムカードの保有率が27.3パーセントに達し、4人に1人が保有する状況が示されました。一方で、保有理由の中心は特典やリワードの実利にあり、ステータスを挙げる回答は1.4パーセントにとどまりました。キャッシュレス決済の利用は全体で94.5パーセントに浸透し、利用可能な場面では完全にキャッシュレスで支払う層が45.2パーセントまで増えています。実店舗とオンラインで主流の決済手段が分かれる点や、金額帯と手段の相関も明確になりました。
プレミアムカードの保有実態と主利用カード化 実利志向が明確に
プレミアムカードの保有率は27.3パーセントであり、一定の普及が確認されました。プレミアムカードを選んだ人のうち、最もよく利用するカードとしてもプレミアムカードを挙げた割合は66.9パーセントです。年会費を払ってでも保有する理由では、特典やリワードがお得という回答が46.4パーセントでトップでした。対照的に、ステータスをアピールできるという理由は1.4パーセントにとどまり、象徴的価値よりも実用性が選択基準になっていることが示されています。カードタイプの選択が、ポイント還元や付帯サービスの質に直結していることが背景にあるとされています。保有と利用の両面で、プレミアムカードが日常決済の主軸として使われる傾向がうかがえます。なお、調査の構成比は四捨五入処理のため合計が100パーセントにならない場合があります。
キャッシュレス利用94.5%へ 使える場面では“完全キャッシュレス”が増加
キャッシュレス決済を利用している人は94.5パーセントに達し、着実な浸透が確認されました。キャッシュレスが利用できる場所では、すべてキャッシュレスで支払うと回答した人は45.2パーセントでした。2023年の調査における同指標が40.3パーセントだったことから、完全キャッシュレス派は上昇傾向にあります。キャッシュレスの選好は、利用可能な環境整備とともに拡大していることが読み取れます。日常の決済での負担軽減やスピード感が、選択を後押ししている点がうかがえます。利用頻度の自己申告に基づく結果であることから、今後の推移も継続確認が必要です。生活スタイルの変化に合わせた決済行動の定着が示されています。
実店舗はモバイルQR、オンラインはクレジットカードで二極化
最も利用頻度が高い決済手段は、実店舗ではモバイルQR決済が35.6パーセントで最多となりました。次いでクレジットカードが30.9パーセント、現金が22.3パーセントと続きます。オンラインではクレジットカードが55.9パーセントで突出し、モバイルQR決済は25.4パーセントでした。オンラインでのクレジットカード優位は、請求書現金払いの7.0パーセントなど他手段との差からも明確です。実店舗ではコード提示の容易さや小口決済との相性が、モバイルQR決済の選好を支えています。オンラインではカード情報の登録や継続課金との親和性が、高い利用比率につながっています。利用シーン別に最適な手段が選ばれている実態が、数字で裏付けられました。
金額帯と利用場所で異なる主流 実店舗は金額差で使い分け、オンラインはカードが主流
実店舗の利用場所別では、比較的高額な決済が行われる百貨店やデパートでクレジットカードが66.1パーセント、ホテルや旅館で75.6パーセントという結果でした。日常的で少額になりやすいコンビニではモバイルQR決済が48.1パーセント、ドラッグストアでも42.8パーセントと高い利用が見られました。オンラインの利用場所別では、総じてクレジットカードが主流である一方、フリマアプリでのモバイルQR決済は25.8パーセント、フードデリバリーでは28.7パーセントと比較的高めの利用率が確認されています。決済金額の大小が、実店舗での手段選択に明確な影響を及ぼしていることがわかります。オンラインでは、サービスの性質やプラットフォームのUIにより、モバイルQRが相対的に選ばれる領域も見られます。決済文脈の違いが、手段選択の差異として表れています。
実利志向への転換とキャッシュレス深化を示唆
調査担当者は、プレミアムカードがかつてのステータスシンボルから、ポイント還元や付帯サービスといった特典重視の実利志向へと保有理由が変化した点を指摘しています。完全キャッシュレス派の増加については、日本のキャッシュレス化が拡大から深化のフェーズに移行しつつあるとコメントしています。実店舗ではQRコード決済の利用拡大が続く一方、オンラインではクレジットカードが強い存在感を維持していると総括しました。利用シーンごとに最適な手段が定着している現状が、今回の調査で裏付けられたとしています。継続的な時系列比較が、今後の変化の把握に資する見立てです。今回の数値は、生活者の価値観や行動の地殻変動を映すデータとして位置づけられています。
詳しくは「株式会社電通」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















