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ウクライナの未来を日本企業が創る。ジェトロがロンドンで共有した、ウクライナ投資の具体策

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日本貿易振興機構(ジェトロ)は4月2日、ロンドンでウクライナの最新情勢をテーマにビジネスセミナーを開催しました。会場には在英国の日系企業を中心に約20人が参加し、前駐ウクライナ日本大使の松田邦紀氏が講演しました。冒頭、ジェトロ・ロンドン事務所の由良英雄所長が、経済産業省と外務省と連携して2025年7月に派遣した官民ミッションをはじめ、ウクライナに対するジェトロの取り組みを紹介しました。続いて松田氏は、ロシアによる侵攻の歴史的背景と最新の戦況、中東情勢が戦況に及ぼす影響を整理しました。ロシアに対する経済制裁の一部緩和により、ロシア側に戦争継続の余力が生じる可能性がある一方、ウクライナは湾岸諸国と連携し、防空システム提供と引き換えに防衛や経済分野での協力に合意していると説明しました。政策や地政学の変化が資源調達と財政余力に直結する構図が示されました。

松田氏は、復興への日本企業参画の具体分野としてエネルギー、インフラ、農業を挙げました。エネルギーではガスタービンやスマートグリッド、ガス貯蔵、バッテリーに対しウクライナ側の関心が高いと指摘しました。インフラでは、がれき処理と建材への再利用が求められているとし、循環利用の実装可能性が示されました。農業では品種改良や無人農機の開発、新たな輸出市場の開拓に期待が寄せられていると述べました。さらにドローン分野の急伸にも言及し、国産ドローン関連企業が2022年の7社から2025年には500社以上へ拡大、大学と民間企業を中心に約1,000種類が開発されている状況を説明しました。用途多様化と供給基盤の拡充が同時進行している実態が共有されました。各分野での需要と技術テーマが明確化されたことで、事業化検討の起点となる論点が示された形です。

後半はウクライナ投資庁のマリーナ・フリストゥン長官がオンラインで登壇し、今後10年間の復興・再建需要は約6,000億ドルにのぼり、そのうち3,000億ドル以上が具体的な投資案件として準備中であると説明しました。特にエネルギー、運輸・物流、農業の潜在力を強調し、投資パイプラインの規模感と優先分野を提示しました。セミナーではこのほか、ジェトロ・ロンドン事務所の茂木高志産業調査員が経済産業省のウクライナ復興支援や中東欧向け支援事業を紹介しました。さらにキーウ事務所の柴田哲男所長、調査部欧州課の柴田紗英職員から、ウクライナ関連の事業と調査に関する説明が行われました。なお、米国政府は3月に、4月11日までの期限付きで海上輸送中のロシア産原油および石油製品の購入を一時的に認める緩和措置を発表しています。資源や物流の制約を見据えたうえで、エネルギーや物流、農業の復旧と高度化が中長期の重点領域であることが確認されました。現地公的機関の示す投資規模と、ジェトロが共有した具体テーマが重なり、復興と投資の両輪が動き始めている様相です。

詳しくは「日本貿易振興機構(ジェトロ)」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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