防災DXという言葉をご存知でしょうか。防災DXとは、デジタル技術を活用した災害対策のことを指します。従来の防災対策には限界があり、これを克服するためにデジタル技術の活用が求められるようになっています。
例えば、AIやビッグデータ分析を利用して、災害時に必要な情報をリアルタイムに収集し、迅速な対応が可能になるようにしたり、IoTを活用してセンサーデータを収集し、被害がどれくらい深刻になりそうか把握することが挙げられます。
その取り組みの一つである「防災DXサービスマップ」は、デジタル庁が公開した防災関連のデジタルサービスの一覧です。防災マップではなく、あくまでデジタルの防災サービスを整理してまとめたものです。
「平時」「切迫時」「応急対応」「復旧・復興」の4つの局面にサービスを分類し、VRを使った津波や洪水のシミュレーションができる防災学習や、防災情報の通知、河川水位のリアルタイム予測といったものが100以上掲載されています。
防災DXサービスマップは、WEBページ上で随時更新されています。
一例を挙げると、法人向けコミュニケーションサービス「Linkit Maps」は、3月27日に追加が発表されました。株式会社ACCESSが手掛けるこのサービスは、位置情報管理機能とチャット機能が融合されており、屋外の現場作業員の居場所をリアルタイムで共有できたり、、災害時の現状把握と要員アサインが容易にできることから、電力会社等のインフラ企業にも採用されているといいます。
別のサービスとしては、ポケットサイン株式会社の「ポケットサイン防災」というものもDX防災サービスマップに掲載されています。これは、家族登録や安否状況の応答や共有に使える機能や、避難先の案内を通知してくれるもので、マイナンバーを用いたデジタル身分証アプリという強みを活用しています。
国や自治体だけでなく、企業などの事業者もまた、防災や復旧・復興になくてはならない存在です。デジタルの力によって防災を強化し、財産や生命を守る取り組みはこれからもますます進んでいくでしょう。