2023年から2024年にかけて消費者の購買行動が顕著に変化しています。カタリナ マーケティング ジャパンのデータを基に、物価上昇がどのように影響を及ぼしているのかを詳細に分析します。特に、購入数量の減少や商品選択の慎重さが目立つ結果となりました。
2024年の総購入金額は前年比101.0%であり、ほぼ変化が見られない中、一人あたりの購入数量は前年比97.9%にまで減少しています。これらのデータは、消費者がより少ない数量で高価な商品を選ぶ傾向を示唆しており、物価上昇に対する適応が進んでいることが伺えます。また、1回あたりの購入金額は62.6円(前年比102.4%)の増加が見られますが、購入数量は0.1個(前年比99.3%)の減少にとどまっています。このような変化は、消費者が必要なもののみを慎重に選んで購買していることを反映していると考えられます。
全体としての消費行動は、低下傾向にあることも示されています。特に目を引くのは、日本酒カテゴリの動向です。2023年10月の酒税法改正による減税があったにもかかわらず、日本酒の購入金額、数量、購入人数は前年を下回る結果となっています。消費者の流出が見られる中で、業界は新たな顧客を獲得し、既存の顧客を維持するための効果的な戦略を見出す必要があるでしょう。
2023年から2024年にかけての消費者の購買行動の変化は、企業にとって重要な課題となっており、物価高の影響を受ける中で、慎重かつ賢明なマーケティング戦略を検討しなければならない時期に来ています。
レポート/DXマガジン編集部齋藤