人口減少と担い手不足が深刻化する日本で、三菱総合研究所(以下、MRI)は「AIロボティクス」による打開を提言します。エコシステム整備、分野特化の技術開発、現場の身体知データ化という3点を軸に、実装に向けたDXの進め方を示します。
三菱総合研究所の3提言とAGIの視座
三菱総合研究所は、2025年にAIエージェントの本格導入が始まった技術潮流を踏まえ2030年前後の汎用人工知能(AGI)実装、さらに2035年頃からのフィジカルAGI普及を見据えて提言を行っています。ここでいうAGIは、プレスリリースが示すように「人間のように幅広い知的活動をこなす」能力を指します。MRIはこの時間軸を前提に、AIとロボットの融合が社会課題解決と産業創出につながると位置づけています。
提言の第一はエコシステムの再構築です。サービスロボットは産業ロボットと異なり現場適応性と受容性が重要であるため、ハード・ソフト・サービス事業者・自治体が連携する新たなサプライチェーン設計が求められます。試験導入→改善→スケールの短いサイクルを回し、オープンなインターフェースや相互運用性を担保することがDXの実務的要件になるとMRIは示しています。
第二は市場特性を踏まえた技術開発で、MRIは介護・生活支援、エリアマネジメント、極限環境の三分野を重点領域に挙げています。各分野では特化型の技術と利用者視点の環境整備が必要です。第三は現場の「身体知」を武器にするデータ戦略です。接客やケアに蓄積された暗黙知をセンサーや映像でデータ化し、産業界・行政・学術が共通フォーマットと評価指標、倫理ルールを整備して利活用することで、日本固有のサービス品質をロボティクスに反映できます。
短期的には有望ユースケースでの実証を通じて運用データを蓄積し、段階的に法制度や運用基準を整備することが肝要です。MRIの提言は技術の到来時期と社会受容を同時に考慮した実務的な設計図と言えます。企業と自治体は共に現場主導でデータ基盤整備と実証を始めるべきです。 MRIの3提言は、技術的楽観と現場配慮を両立させた現実的なロードマップです。DXはまず小さく試し、現場の知をデータに変える実務から始めるべきです。
詳しくは「株式会社三菱総合研究所」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















