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企業の採用担当者が人材を探す際の検索ワードは「DX」が最も上昇、IT人材ニーズも反映/ビズリーチ調べ

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Visionalグループのビズリーチが運営する転職サイト「ビズリーチ」は2021年12月21日、「2021レジュメ検索トレンド」の調査結果を発表しました。この調査は、2021年に企業の採用担当者が、ビズリーチで「レジュメ(職務経歴書)」を検索する際に使用したワードのうち、昨年と比較して検索数が上昇したワードの算出によるものです。それによれば、2021年、最も上昇した検索ワードは「DX」でした。また、ビズリーチ上のDX関連求人数(求人名もしくはポジション名に「DX」を含む求人)も増加しました。特に、2021年11月の求人数は、昨年比3.3倍となったことが示されました。

 「ビズリーチ」は、企業の採用担当者が会員のレジュメの情報を検索し、直接スカウトを送信できるサービスです。企業の採用担当者が、どのようなワードで会員のレジュメを検索しているかを知ることで、積極的に採用している人材や、ポジションの特徴・傾向が分かります。  「2021レジュメ検索トレンド」調査の概要は、以下の通りです。 ・調査概要:ビズリーチを利用している企業が会員を検索した「ワード」を算出
・対象:2021年1月〜11月に検索され、大文字・小文字の区別なく、検索回数が100回以上のワード(or検索のワード含む)
・算出方法:対象となる全ワードのユニークユーザー数における検索回数の、昨年からの変化率をもとに算出
・対比期間:2021年1月~11月と2020年1月~11月を比較
※「関連ワード」には、ランクインした各ワードや類似ワードと一緒に検索されていたワードを記載。
※2020年に発表した「レジュメ検索トレンドランキング2020」とは、算出方法が異なります。
※ビズリーチ調べ。
図1:「2021レジュメ検索トレンド」/ビズリーチ調べ

図1:「2021レジュメ検索トレンド」/ビズリーチ調べ

 ランキングから読み取れる傾向として、以下が挙げられています。 ・2021年は「DX」が最も上昇。DX関連求人も昨年比3.3倍に
・IT人材ニーズは堅調、採用難度が高まる
・「SaaS」がビジネス潮流になり、大手企業向け「カスタマーサクセス」の採用ニーズが増加
・雇用の流動化が進む中、中途採用の内製化と人的資本経営が加速
・企業の持続的成長への意識の高まりを背景に「ESG」がランクイン  以下に、それぞれ詳しく説明します。  新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、さまざまな業界でDXが急速に進みました。それを裏付けるように、「DX」の検索数が最も上昇しました。「DX」と一緒に検索されているワードとしては、以下のようなものが挙げられています。 ・「ITコンサル」
・「データ分析」
・「IoT」
・「AI」
・「サプライチェーン」
・「業務改善」
・「自動化」
・「省人化」
・「顧客体験」  これらのことから、「データ分析に基づき生産性向上や顧客体験の向上に取り組める人材」や、「一部門のみならずサプライチェーン全体の改善や業務設計ができる人材」が積極的に求められていると分析されています。  また、ビズリーチ上のDX関連求人数(求人名もしくはポジション名に「DX」を含む求人)も増加しています。発表によれば、2020年11月と比べて2021年11月は3.3倍(コロナ禍以前の2019年11月と比べると16.1倍)となっています。今後も、DXを推進できる人材の獲得競争がさらに激化すると予想されます。  業界問わずデジタル化が急がれる中、IT人材不足は深刻化しています。その状況を反映するように、IT人材に関連するワードが上位に入りました。以下がその一例です。 ・「Webアプリ」(2位)
・「情報セキュリティ」(8位)
・「TypeScript」(16位)
・「AWS GCP」(19位)  ビズリーチで実施した別のアンケートでは、IT人材が不足していると回答した企業が9割以上との結果になりました。
※:「リスキリングに関する取り組みやITスキルに関するアンケート」(対象:企業の経営層・人事担当者、調査期間:2021年10月29日~2021年11月4日、回答数:245件)  これらのことから、多くの企業でIT人材の採用を積極的に行っていることが推測されます。また、「エンジニア採用」のワードもランクイン(6位)しました。このことから、IT人材の中途採用経験のあるリクルーター(採用担当者)を求める企業が増えていて、IT人材の採用の難度が高まっていることが分かります。  SaaS(Software as a Service)のようなサブスクリプション型のサービスがビジネスの大きな潮流となっています。その中で、「カスタマーサクセス SaaS」がランクイン(7位)しました。ビジネスモデルの変化に伴い、営業スタイルも変化しています。従来の売り切り型の営業とは異なる、「カスタマーサクセス」への注目が高まっていることが分かります。  また「エンタープライズ」がランクイン(15位)したことから、大手のクライアントを獲得したいというニーズが新興のIT企業を中心に高まっていることがうかがえます。大手企業を顧客にするためには、複数の関係部署への営業活動が必要となります。さらに、各部門との信頼関係を築くための長期的かつ戦略的な営業も必要です。新興のIT企業の中には、大手企業への戦略的営業のノウハウが社内にない企業も多く、経験が豊富な人材が求められていることが分かります。  「採用代行のサービス」を意味する「RPO(Recruitment Process Outsourcing)」もランクイン(11位)しました。ビジネス構造の転換が進む中、新たな事業領域を模索する企業が増えています。そのため、すぐに活躍できる「即戦力採用」のニーズが拡大しています。そして、優秀な人材の採用の難度が高まっています。そこで企業では、RPO提供経験のある人材を採用することを要望しています。外部に委託していた採用活動を内製化し採用ノウハウを蓄積することで、採用力を高める動きが加速していると推測されます。  また、「HRBP(Human Resource Business Partner)」(13位)は、経営者・事業責任者の戦略的パートナーとして、人と組織の面から事業成長を促していくポジションを指します。欧米では多くの企業が取り入れています。日本でも従来の日本型雇用が崩壊し、雇用の流動化が進んでいます。その中で、企業は優秀な人材を採用するだけでなく、優秀な人材が活躍できる環境をつくり、従業員のエンゲージメントを高める人的資本経営が求められています。そのため、HRBPのスキルを持った人材へのニーズが高まっていると推測できます。  気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題も顕在化しています。そうした中で、国連が投資を行う際の基準として提唱した、環境・社会・ガバナンスの3つの観点を指す「ESG」がランクイン(20位)しました。ESGと一緒に「国債」「証券アナリスト」「為替資産運用」などのワードが検索されました。このことから、日本でも市場が拡大しているESG債に関連したスキルを持つ人材へのニーズが高まっていることが分かります。また「サステナビリティ」「気候変動」「GHG(温室効果ガス)」というワードも一緒に検索されており、特に環境の領域でサステナビリティ推進に取り組む企業で、レポーティングや投資家などとのコミュニケーションができる人材が求められていることが推測されます。今後、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業が増えていくと、ESG関連の人材ニーズもさらに高まっていく可能性があるとみられています。

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