ビズリーチは2023年4月4日、リスキリングに関する調査結果を発表しました。同社運営の転職サイト「ビズリーチ」の会員と企業の経営層、採用担当者を対象に、現在の取り組み状況や将来身に着けたいスキルなどを聞いています。
現在、リスキリングに取り組んでいるかを聞いた結果が図1です。
「取り組んでいる」と答えた割合は67.6%で、「取り組んでいない」(32.4%)の割合を大きく上回っています。
「取り組んでいる」と回答した人のうち、「個人で取り組んでいる」と答えたのは48.2%でもっとも多く、次いで「勤め先、個人の両方で取り組んでいる」(11.0%)、「勤め先を通じて取り組んでいる」(8.4%)という結果でした。自主的にリスキリングに取り組む人が多いことが分かります。
なお、現在リスキリングに取り組む企業は26.3%でした。企業規模では、従業員数5000人以上の企業が48.9%ともっとも多く、50人未満の企業が12.2%ともっとも低い結果でした。
将来的に新たなスキルを身に着ける必要があると思うかを聞いた結果が図2です。
全体では「とても思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせた割合が95.0%でした。年代別でも「とても思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせた割合は総じて高く、年代が若いほど、その割合が高くなっています。「とても思う」と答えた割合も年代が若いほど高くなっています。
新たなスキルを身に着ける必要があると思う理由を聞いた結果が図3です。
「仕事の幅を広げるために、継続的にスキルアップしたいから」(68.0%)がもっとも多く、次いで「自身の希少性を向上させ、市場価値を上げたいから」(55.2%)でした。なお、30代は他世代と比べ、「中長期的にキャリアを考えると、現状のスキルだけだと不安を感じるから」(61.2%)と答えた割合が高くなりました。
自社の社員に身に着けて欲しいITスキルを聞いた結果が図4です。
1位は「プロジェクトマネジメント(PM)」で48.7%でした。次いで「データ解析・分析」(46.1%)、「セキュリティ」(32.8%)でした。
調査を実施したビズリーチは、多くの企業がDXやデジタル化を進める中で、プロジェクト全体を見通した上で意思決定し、プロジェクトを成功に導けるスキルを求めていると推察します。
リスキリングに取り組むことが自身の市場価値を高めることにつながるかを聞いた結果が図5です。
「そう思う」と回答した割合は64.0%で、「どちらかといえば、そう思う」(34.1%)を合わせると98.1%が市場価値を上げることにつながると捉えています。
新たなスキルを身に着けた社員に対し、昇格や抜てきを積極的に行っていくかどうかを聞いた結果が図6です。
「行う」と回答した企業は21.4%でした。「どちらかといえば、行う」(45.8%)を合わせると67.2%の企業が、昇格や抜てきに結び付けると考えています。もっとも、従業員規模が大きくなるほど消極的な企業が多く、リスキリングに取り組む割合がもっとも高かった従業員数5000人以上の企業では、8.9%にとどまります。調査を実施したビズリーチは、新たなスキルを身につけた社員に対する活躍の機会の提供や創出が課題となってくると推測します。
あわせて読みたい編集部オススメ記事
リスキリングの基礎から導入手順までをまとめたホワイトペーパー、デジタル・ナレッジが無償公開 – DXマガジン
デジタル・ナレッジは2023年2月17日、ホワイトペーパー「リスキリングってなに?(前編)」を公開しました。リスキリングを実施するメリットや導入時の手順などをまとめています。ホワイトペーパーを無償で提供します。
女性の“リスキリング”認知率は低いが実際には8割近くが取り組んでいる/Waris調べ – DXマガジン
フリーランス女性と企業とのジョブマッチングなどの人材サービスを提供するWarisは2022年9月7日、「リスキリング」(学び直し)をテーマに調査を実施した結果を発表しました。調査はWebアンケートにより行われ、「女性のリスキリング白書2022 ~就業形態別のリスキリングに関する調査レポート~」としてまとめられました。