株式会社デジタル・ナレッジの調査によると、77.8%の社会人が生成AIを活用することで何らかの成果を実感していることが明らかになりました。この調査は、全国の経営者、役員、会社員、自営業者を対象に、生成AIの利用状況に関するもので、2024年11月に公開されました。調査結果によれば、生成AIの全体認知度は約7割に達しており、実際に利用している人は4割。このことから、企業でのデジタル化が進んでいることが伺えます。
業種別の利用状況を見ると、「IT・通信・インターネット」業界の利用率が高くなっており、逆に「サービス・レジャー」や「医療・福祉・介護」業界では低い利用率が記録されています。この差異はそれぞれの業界特性やニーズの違いを反映しているものと考えられ、業種によって生成AIの適用が進むスピードや方法にばらつきが見られます。
具体的に見ていくと、多くの利用者は「情報収集」「文章校正」「企画書作成」といった領域で生成AIを活用しています。これらの領域は、業務の効率化やアウトプットの質を向上させるために非常に有効であるとされています。一方で、「仕事では生成AIを利用していない」と答えた人も約3人に1人存在し、非利用者が少なくないことも示されています。この結果は、生成AIの利用が急速に進んでいる一方で、未だ活用されていない分野が多いことを示唆しています。
生成AIを利用した人々の中で、特にポジティブな意見が多く寄せられたのは「業務・作業の効率化」と「アウトプットの質の向上」といった点です。調査では、77.8%の回答者が生成AIの活用によって目に見える成果を得たと述べています。これは、生成AIが業務遂行にとって不可欠なツールであることを示しています。また、利用者の約9割が「今後も生成AIを利用する」と回答しており、さらにその半数が利用の拡大を検討しているとのことです。これは、今後のビジネスシーンにおいて生成AIの役割がますます重要になることを示唆しています。
しかし一方で、非利用者の約7割は「今後も生成AIを利用しない」「わからない」と回答しており、このことは生成AIの活用が進んでいる一方で、利用者と非利用者の間での二極化が進んでいる現状を浮き彫りにしています。この二極化は、業界や職種、さらには企業のデジタル化への姿勢によるものと考えられます。
また、生成AIの利用に関しては正確性や著作権問題、個人情報や機密情報の漏えいといった懸念が指摘されており、これらの課題に対処するためには法規制やガイドラインの整備が必要です。むろん、これらの問題を解決することで、生成AIが持つポテンシャルを最大限に引き出せるようになるでしょう。今後の生成AI活用がどのように進むのか、その動向に注目が必要です。
このような内容からも、生成AIの活用はもはや一時的なトレンドではなく、ビジネスシーンにおける新たな常識になりつつあると言えるでしょう。さらに、生成AIが今後の企業活動や業務プロセスにどのように影響を与えていくのか、その研究や導入の効果に対する関心が一段と高まることが期待されます。
【関連リンク】
株式会社デジタル・ナレッジ
http://www.digital-knowledge.co.jp/
執筆:DXマガジン編集部