2024年は、物流業界にとって厳しい一年となりました。帝国データバンクの調査によると、従業員の退職や採用が難しいこと、人件費の高騰が原因で生じた人手不足倒産は累計342件となり、その中で物流業が46件(前年比+7件)を記録しています。これは全体の約13.5%に相当し、特に新しい時間外労働の上限規制が適用された背景が影響していると考えられます。
物流業界では、労働者の高齢化が一つの大きな課題です。60歳以上の労働者の割合は18.6%にのぼり、さらに50歳以上で見ると49.5%という高齢化の進展が確認されています。このことは、業界全体において新しい人材の確保が非常に難しくなっていることを意味し、労働力の流出が数多くの企業に深刻な影響を与えています。
加えて、労働時間の減少も物流業界の経営を難しくしています。最近の統計によれば、出勤日数や実働時間が減少しており、これは新たな労働規制の影響を受けているとされています。限られた人手の中での運営が求められるため、多くの物流企業は経営の舵取りが一層難しくなっています。このままでは、さらなる業務停止や倒産が危惧される状況です。
このような課題に直面する物流業界の企業は、効率性の向上や省力化を追求する必要があります。自動化やAIの導入が急務とされ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実施が避けられない状況です。企業が迅速にこれらの技術を採用し、効率的な運営を実現することで、人手不足によるリスクを軽減し、安定した事業継続が可能となるでしょう。物流業界の未来は、この変革にかかっています。詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部香田