長期インターンシップは、学生にとって貴重な実務経験を積む機会として注目されています。特に、新卒の就職活動においては、どのように役立つのか、また、インターンシップがキャリア形成にどのような影響を与えるのかが焦点となります。本記事では、Percify株式会社とIDEATECHが共同で実施した「長期インターンシップがもたらす効果に関する実態調査」の結果を基に、その実態を詳しく見ていくことにします。
この調査は、3ヶ月以上の長期インターンシップ経験がある入社3年以内の若手社員111名を対象に、2024年9月6日から7日の間にインターネットで実施されたものです。調査目的は、インターンシップがもたらす様々な影響を具体的に明らかにすることです。
調査結果によると、長期インターンシップに参加した理由として最多は「実務経験を積んで職場の雰囲気を体感したかったため」で、全体の55.0%を占めています。次いで「自分のキャリア目標を明確にしたかったため」と「特定の業界や職種の仕事内容を詳しく知りたかったため」が各39.6%と、おおむね自らのキャリアを意識した上での参加が特徴的です。
次に、長期インターンシップ中に担当した業務内容は多岐にわたり、「顧客対応や電話応対」が54.1%、「新規プロジェクトのサポートや調査業務」が45.0%と上位に上がっています。これらの業務を通じて、インターン生は実際のビジネスシーンで求められるスキルを磨いています。特に調査においては、62.2%の参加者が「プレゼンテーションや資料作成のスキル」を得たと回答しており、その重要性が再確認されました。また、「問題や課題を発見し、解決策を考える力」も45.0%が実感していることが分かります。
興味深いのは、86.5%の参加者が「長期インターンシップでの経験がその後のキャリア選択に影響を与えた」と感じていることです。具体的には、38.8%が「非常に影響を与えた」と、47.7%が「やや影響を与えた」と回答しています。これにより、インターンシップの経験がキャリアパスを決定する上で、非常に大きな要素となっていることが窺えます。
また、約9割の若手社員が「長期インターンシップでの経験が就職活動において有利に働いた」と実感しています。その理由として、58.6%が「インターン先での内定を得られた」、55.6%が「実務経験が評価されたため」と続きます。これにより、インターンシップが就職活動において重要なアドバンテージとなっていることが実証されています。
長期インターンシップで得たスキルや経験は、現在の職務に活かされているとの回答も目立ちます。特に「顧客対応や営業活動に活かされている」と答えた人は59.6%に上り、インターンシップでの経験が実務に直結していることが示されています。これは、学生から社会人へのスムーズな移行を助けるものとなるでしょう。
最後に、本調査の結果から、約9割の若手社員が「学生に長期インターンシップを勧めたい」と回答しています。特に「大学3年生」や「大学2年生」の段階でのインターンシップ参加が推奨されており、早期からの実践的な経験がキャリア形成において非常に効果的であることが分かります。
今回の調査により、長期インターンシップが若手社員のキャリア形成に寄与し、実務経験が職務や就職活動においても有利に働くことが改めて確認されました。これにより、学生にとってのインターンシップの重要性が浮き彫りとなり、今後のキャリア設計においては、実践的な学びの場としての系列を持つインターンシップがますます価値を持つと考えられます。
執筆:糸井貴行