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卸売業・小売業の管理職は“マネジメント”力、一般社員は“チームでの協力”が重要/ラーニングエージェンシー調べ

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人材育成サービスを提供するラーニングエージェンシーは2022年4月27日、「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」について調査した結果を発表しました。同社は2021年10月11日~12月13日の期間、ビジネスパーソン5,099人を対象に「組織・チームのあり方の変化に関する意識調査」を実施しました。今回はその中から、業界別として卸売業・小売業の社員について抽出したものです。

 ラーニングエージェンシーは、「組織・チームのあり方の変化に関する意識調査」として5,099名のビジネスパーソンにアンケートを実施しました。そして、管理職および一般社員に求められる役割が、10年間でどのように変化したのかを調査しました。  国内での事業展開が多い卸売業・小売業は、人口減少やECによる購入経路の多様化などに大きな影響を受けています。今回は、卸売業と小売業に焦点を当てて、調査結果の分析が行われました。「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」調査の概要は、以下の通りです。 ・調査対象者:同社が提供する研修(会場型・オンライン型)、オンライン講演の受講者
・調査時期:2021年10月11日~2021年12月13日
・サンプル数:<卸売業・小売業>663人/<他業種(卸売業・小売業以外の全業種)>4,436人  調査結果の概要として、以下が挙げられています。 ●この10年で卸売業・小売業社員の役割は「変化した」が6割
●管理職のあるべき姿トップ3は「コンプラ重視」「効率的」「スキルアップ」、実態とは大きな乖離あり
●管理職に重視されるスキルは「マネジメント」が最多
●一般社員に期待されるのは、個人ではなくチームで協力して成果を上げること
●一般社員の重要スキル「タイムマネジメント」「IT・デジタルリテラシー」が過半数、「言語化する力」も4割超


 それぞれの調査結果の詳細を以下に説明します。 ●この10年で卸売業・小売業社員の役割は「変化した」が6割
 最初に、卸売業・小売業の管理職や一般社員に求められることが、この10年間で変わったかどうかについてたずねました。 ・(管理職)求められることが変わった:58.2%
・(一般社員)求められることが変わった:60.5%  いずれも約6割が「変化した」と回答しました(図1・図2)。
図1・図2:管理職・一般社員へ求められることの変化/ラ...

図1・図2:管理職・一般社員へ求められることの変化/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

 以降の設問は、卸売業・小売業で、求められる管理職や一般社員の姿が10年前と比べて「変わった」とした回答者のみにたずねたものです。 ●管理職のあるべき姿トップ3は「コンプラ重視」「効率的」「スキルアップ」、実態とは大きな乖離あり
 「管理職のあるべき姿」について、「10年前に求められていた」管理職像と、「現在求められている」管理職像をそれぞれ複数回答で聞きました。卸売業・小売業で「10年前に求められていた管理職像」の上位回答は、以下の通りです。 ・「トップダウンで物事を進める」:79.4%
・「部下に自分の模倣を求める」:63.8%
・「前例を踏襲する」:57.1%  これに対し、「現在求められている管理職像」で上位となった回答は以下の通りです。 ・「コンプライアンスやモラルを重視する」:84.7%
・「時間内で効率的に終わらせる」:75.6%
・「個人としてのスキルアップを志向する」:73.2%  特に、「個人としてのスキルアップを志向する」は、卸売業・小売業を除く全業種(以下、「他業種」)と比べると5.6pt高い結果となりました。  また、現在求められる管理職像で上位には入らなかったものの、他業種との差が最も大きかった項目は「決められたことを確実に遂行する(44.9%)」で、他業種よりも6.6pt高い結果となりました(図3)。
図3:求められる管理職像の変化/ラーニングエージェンシ...

図3:求められる管理職像の変化/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

 一方、「現在の管理職の傾向」としては、以下が上位に挙げられました。 ・「コンプライアンスやモラルを重視する」:50.4%
・「トップダウンで物事を進める」:46.2%
・「企業利益を重視する」:45.6%  そして、求められている役割と実態を比較した結果では、「自ら何をすべきかを定義し、遂行する」が最も乖離が大きく、期待よりも実態のほうが44.7pt低い割合でした。双方のスコアの差が大きい回答は、以下の順位で、期待より実態が低い結果になりました。 ・「自ら何をすべきかを定義し、遂行する」(-44.7pt)
・「ボトムアップで物事を進める」(-44.4pt)
・「前例にないことを行う」(-40.9pt)
・「個人としてのスキルアップを志向する」(-40.5pt)
図4:求められる管理職像と現在の傾向/ラーニングエージ...

図4:求められる管理職像と現在の傾向/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

 特に「ボトムアップで物事を進める」と「個人としてのスキルアップを志向する」は、他業種と比較しても期待と実態の間のマイナス幅がそれぞれ4.9pt、8.9pt大きくなっています(図4)。これは、卸売業・小売業ならではの特徴の1つと分析されています。 ●管理職に重視されるスキルは「マネジメント」が最多
 卸売業・小売業の「管理職像が変化した理由」について3つまで選んでもらった結果は、以下のようになりました。 ・「働き方(雇用形態や勤務時間・場所など)が多様化した」:69.5%(他業種68.3%)
・「市場環境が変化・複雑化した」:61.6%(他業種50.6%)
・「従業員満足度や従業員の働きがいを重視する世の中になった」:45.7%(他業種41.4%)
・「ビジネス・業務のやり方が以前と変わった」:32.3%(他業種33.8%)
・「求められる成果がより高くなった・難易度が増した」:31.7%(他業種36.1%)
・「マネジメントする人材(職種や専門分野など)が多様化した」:27.2%(他業種32.0%)  特に卸売業・小売業では「市場環境が変化・複雑化した」を選ぶ割合が他業種よりも多く、その差は11.0ptでした。一方で、「求められる成果がより高くなった」「マネジメントする人材が多様化した」は、それぞれ他業種よりも4.4pt、4.8pt低い結果となりました。  卸売業・小売業における管理職像の変化として、「特に重視されるようになってきたスキルや知識」では、以下のような上位結果となりました。 ・「マネジメント」:68.5%(他業種59.0%)
・「コーチング」:43.4%(他業種40.5%)
・「IT・デジタルに関するリテラシー」:42.9%(他業種45.5%)  特に「マネジメント」については他の選択肢より突出して選択されており、他業種と比べても9.5pt多い結果となりました。また、「コーチング」は他業種よりも2.9pt多く選ばれました。さらに、他業種より重視されているスキル・知識として「ティーチング(21.6%、+3.9pt)」も挙げられます(図6)。
図6:管理職に重視されるようになってきたスキルや知識/...

図6:管理職に重視されるようになってきたスキルや知識/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

●一般社員に期待されるのは、個人ではなくチームで協力して成果を上げること
 次に、卸売業・小売業の一般社員に関して見ていきまます。「10年前に一般社員に期待されていたこと」のトップ3は、以下の回答です。 ・「定型的な業務を確実に遂行する」:75.8%
・「個人として成果を上げる」:60.2%
・「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」:51.5%  また「現在、一般社員に期待されていること」のトップ3は以下の通りです。 ・「チームで協力して成果を上げる」:78.8%
・「自ら現場で判断し、行動する」:62.5%
・「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」:58.7%  このように、チームで働くことを意識した選択肢が多く選ばれました。特に「チームで協力して成果を上げる」は、他業種より5.6pt多く選ばれています。一方、対極的な意味合いの項目である「個人として成果を上げる」は、期待される割合が10年前から22.7pt減少し、他業種と比べてもマイナス幅が11.9pt大きい結果となりました。  一方、実際に卸売業・小売業の「一般社員が担っている役割」はどうでしょうか。以下がトップ3の回答となっています。 ・「定型的な業務を確実に遂行する」:57.6%
・「チームで協力して成果を上げる」:45.9%
・「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」:45.0%  求められている役割と実態とを比較した際に大きなスコア差が見られた項目は、以下の通りです。 ・「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」(-35.2pt)
・「非定型的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する」(-34.7pt)
・「チームで協力して成果を上げる」(-32.9pt)
・「自ら現場で判断し、行動する」(-32.5pt)  逆に、現在求められる割合があまり高くないものの、実態では大きな割合を占めたのが「定型的な業務を確実に遂行する(+22.3pt)」でした(図8)。
図8:一般社員に「期待されていること」と「担っている役...

図8:一般社員に「期待されていること」と「担っている役割」/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

●一般社員の重要スキル「タイムマネジメント」「IT・デジタルリテラシー」が過半数、「言語化する力」も4割超
 卸売業・小売業の一般社員に期待されることが「変化した理由」について、3つまで選んでもらった結果は以下の通りです。 ・「状況の変化が速くなった」:56.0%(他業種57.4%)
・「顧客やマーケットのニーズが多様化した」:48.5%(他業種41.6%)
・「チームメンバーの特性やレベル感が多様化した」:42.9%(他業種41.8%)
・「プロジェクト型で仕事を進めることが一般化してきた」:24.5%(他業種26.8%)
・「リモートワークの浸透により、単独で行動する機会が増えた」:19.5%(他業種21.7%) また、一般社員に求められるスキルや知識のうち、「10年前と比べて特に重視されるようになってきた」ものでは以下がトップ3となりました。 ・「タイムマネジメント」:53.9%
・「IT・デジタルに関するリテラシー」:52.0%
・「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)」:43.1%  なお「マーケティング(22.8%)」は卸売業・小売業で重視されるスキルの第7位ではあるものの、他業種より9.2pt多く選ばれました(図10)。
図10:一般社員に求められるスキルや知識/ラーニングエ...

図10:一般社員に求められるスキルや知識/ラーニングエージェンシー「卸売業・小売業の社員に求められることの変化」

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