リクルートマネジメントソリューションズは2022年2月25日、会社員を対象にした「仕事と感情に関する意識調査」(個人編)の実施結果を発表しました。調査は、2021年12月に20~49歳の会社員826名に対して実施されました。「仕事中に経験した感情」や、「仕事と感情についての意見」など、調査結果から見える実態が公表されました。
リクルートマネジメントソリューションズでは、企業における経営・人事課題の解決や、事業・戦略の推進を支援する事業を展開しています。同社では、仕事や職場において「感情」という側面は、以下の観点からますます重要になってきていると考えます。
・「技術の進展」
・「VUCAの影響」
・人材マネジメント上のキーワード(エンゲージメント、キャリア自律、心理的安全性、ダイバーシティ&インクルージョンなど)
・「テレワークの進展」 仕事場面での感情は、パフォーマンスや健康に影響を与えます。しかし、その実態を捉えた調査はあまりないのが実状です。そこで同社は今回、働く人の感情に目を向け、うまく活用していくきっかけになることを目的に、調査を実施しました。調査の概要は、以下の通りです。
・「VUCAの影響」
・人材マネジメント上のキーワード(エンゲージメント、キャリア自律、心理的安全性、ダイバーシティ&インクルージョンなど)
・「テレワークの進展」 仕事場面での感情は、パフォーマンスや健康に影響を与えます。しかし、その実態を捉えた調査はあまりないのが実状です。そこで同社は今回、働く人の感情に目を向け、うまく活用していくきっかけになることを目的に、調査を実施しました。調査の概要は、以下の通りです。
調査のそれぞれの結果は、以下の通りです。
●仕事中に経験した感情について、約8割が「心配・不安」。一方「嬉しさ・喜び・感謝」も約6割
まず、「直近1カ月の仕事中に経験した感情」について聞きました。「非常によく感じた」「よく感じた」「ときどき感じた」の回答は、多い順に以下となりました。 ・「心配・不安」:78.2%
・「怒り・嫌悪」:71.6%
・「退屈・無意味」:64.1% これらはいずれも、ネガティブな感情です。次いで、以下の感情が続きます。 ・「嬉しさ・喜び・感謝」:62.5%
・「親しさ・心地よさ」:61.2% こちらはポジティブな感情です。また、ここ「1カ月で最も印象に残っている感情」をたずねた結果は、以下の通りとなりました。 ・ネガティブな感情が約6割(59.7%)
・ポジティブな感情が約4割(40.3%)
まず、「直近1カ月の仕事中に経験した感情」について聞きました。「非常によく感じた」「よく感じた」「ときどき感じた」の回答は、多い順に以下となりました。 ・「心配・不安」:78.2%
・「怒り・嫌悪」:71.6%
・「退屈・無意味」:64.1% これらはいずれも、ネガティブな感情です。次いで、以下の感情が続きます。 ・「嬉しさ・喜び・感謝」:62.5%
・「親しさ・心地よさ」:61.2% こちらはポジティブな感情です。また、ここ「1カ月で最も印象に残っている感情」をたずねた結果は、以下の通りとなりました。 ・ネガティブな感情が約6割(59.7%)
・ポジティブな感情が約4割(40.3%)
●同じような経験でも、人によって異なる感情につながっている
前の「印象に残っている感情」で選択した感情について、「印象に残っている理由やエピソード」を自由回答でたずねました。
前の「印象に残っている感情」で選択した感情について、「印象に残っている理由やエピソード」を自由回答でたずねました。
同じ感情についても、人によって多様なエピソードが見られました。また「大きな仕事を任された」といった同じような経験でも、楽しさや自信につながっているケースもあれば、心配や不安につながっているケースもありました。人によって抱く感情の違いが明らかになりました。
●一般的に感情を用いる労働だと言われる接客・サービス以外の職種でも、感情労働の3要素「感情の要求・制御・演技」は、半数以上で求められている
営業系・事務系・技術系のオフィスワーカーにおいて、感情を用いた職務遂行が求められる「感情労働」がどのくらい行われているかを確認しました。いわゆる「感情労働の3要素7項目」についての回答結果が以下です。
営業系・事務系・技術系のオフィスワーカーにおいて、感情を用いた職務遂行が求められる「感情労働」がどのくらい行われているかを確認しました。いわゆる「感情労働の3要素7項目」についての回答結果が以下です。
「とてもあてはまる」「あてはまる」「ややあてはまる」の割合で見ると、以下のようになります。
・「感情の要求(職務遂行において感情を用いることを求められる)」:約8割
・「感情の制御(本当の感情を抑える)」:約7割
・「感情の演技(求められる感情を演じる)」:約6割 このように、いずれも半数を超えていました。
・「感情の制御(本当の感情を抑える)」:約7割
・「感情の演技(求められる感情を演じる)」:約6割 このように、いずれも半数を超えていました。
●「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」と考える人は約7割
次に、「仕事と感情についての意見」を問いました。「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」という考えについての賛否は、以下の回答結果となりました。 ・(自分の考え)「持ち込むべきではない」:約7割
・自分の職場では「持ち込むべきではないと考えている人が多い」:約6割
次に、「仕事と感情についての意見」を問いました。「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」という考えについての賛否は、以下の回答結果となりました。 ・(自分の考え)「持ち込むべきではない」:約7割
・自分の職場では「持ち込むべきではないと考えている人が多い」:約6割
●感情表出に対する考え方には正反対の意見がある
前の質問の「持ち込むべきではない」についての肯定と否定、それぞれの理由を自由回答でたずねました。 ・持ち込み否定派:「成果を妨げる」「判断がぶれる」「組織がまとまらない」など
・持ち込み賛成派:「やる気や成果につながる」「理解し合うのに役立つ」「ストレスを防ぐ」「条件付きでOK」など 成果を上げること、組織がまとまることに対して、感情を持ち込むことがプラスに働くかマイナスに働くかについて、職務の特性や個人の考え方によりさまざまです。同社では、「感情表出(自分の感情を表に出すこと)に対する考え方には正反対の意見がある」としています。
前の質問の「持ち込むべきではない」についての肯定と否定、それぞれの理由を自由回答でたずねました。 ・持ち込み否定派:「成果を妨げる」「判断がぶれる」「組織がまとまらない」など
・持ち込み賛成派:「やる気や成果につながる」「理解し合うのに役立つ」「ストレスを防ぐ」「条件付きでOK」など 成果を上げること、組織がまとまることに対して、感情を持ち込むことがプラスに働くかマイナスに働くかについて、職務の特性や個人の考え方によりさまざまです。同社では、「感情表出(自分の感情を表に出すこと)に対する考え方には正反対の意見がある」としています。
●ネガティブ感情でも「感情を職場で伝えてよかった」8割以上
前の「この1カ月で最も印象に残っている感情」(図3)について再度たずねました。「人に伝えたか」「誰に伝えたか」「伝えてよかったか」の3点を、ポジティブ感情/ネガティブ感情とともに聞きました。 「仕事中に感じた感情を人に伝えたか」(複数回答/n=724)については、以下のような回答結果となりました。 ・「その場で自分の感情を出した」:ポジティブ感情33.6%/ネガティブ感情11.3%
・「あとで他の人にそのときの感情について話をした」:ポジティブ感情29.5%/ネガティブ感情31.0% あとで伝えるのは、ポジティブ感情、ネガティブ感情ともに約3割でしたが、その場での表出は、ポジティブ感情のほうが有意に多くなりました。
前の「この1カ月で最も印象に残っている感情」(図3)について再度たずねました。「人に伝えたか」「誰に伝えたか」「伝えてよかったか」の3点を、ポジティブ感情/ネガティブ感情とともに聞きました。 「仕事中に感じた感情を人に伝えたか」(複数回答/n=724)については、以下のような回答結果となりました。 ・「その場で自分の感情を出した」:ポジティブ感情33.6%/ネガティブ感情11.3%
・「あとで他の人にそのときの感情について話をした」:ポジティブ感情29.5%/ネガティブ感情31.0% あとで伝えるのは、ポジティブ感情、ネガティブ感情ともに約3割でしたが、その場での表出は、ポジティブ感情のほうが有意に多くなりました。
次に「あとで他の人にそのときの感情について話をした」220名に、「誰に話したか」についてたずねたところ、以下の結果となりました。
・「職場の同僚」:ポジティブ65.1%/ネガティブ65.7%
・「職場の上司」:ポジティブ37.2%/ネガティブ24.6%
・「家族・友人・知人」:ポジティブ29.1%/ネガティブ39.6% ポジティブな感情、ネガティブな感情ともに、「職場の同僚」が6割以上と最も多くなりました。次に多いのは、ポジティブな感情は「職場の上司」、ネガティブな感情は「家族・友人・知人」でした。
・「職場の上司」:ポジティブ37.2%/ネガティブ24.6%
・「家族・友人・知人」:ポジティブ29.1%/ネガティブ39.6% ポジティブな感情、ネガティブな感情ともに、「職場の同僚」が6割以上と最も多くなりました。次に多いのは、ポジティブな感情は「職場の上司」、ネガティブな感情は「家族・友人・知人」でした。
さらに、「あとで社内の人に話した」人に「伝えてよかったか」を聞きました。「話してよかったと思う」人は、ポジティブな感情では100%、ネガティブな感情でも8割以上(83.5%)と、話してよかったという回答が圧倒的に多くなりました。
●職場で感情をうまく伝えれば良い結果につながり得る
最後に「職場の上司や同僚に、自分の気持ちや感情を隠さずに伝えたことで、良い結果につながったと思う経験」について、自由記述式で回答してもらいました。
最後に「職場の上司や同僚に、自分の気持ちや感情を隠さずに伝えたことで、良い結果につながったと思う経験」について、自由記述式で回答してもらいました。
困ったときやつらいときに思い切って気持ちを伝えることで「周りが動いてくれた」「楽になった」などの回答がありました。また、より良くしたいという気持ちを正直に伝えることで「仕事がうまく進むようになった」「自分の考えが変わった」との記述が多く見られました。
同社では、以下のように考察しています。
・職場で感情を伝えていくことは、賛否もあり場合による面もあろうが、うまく伝えれば良い結果につながり得るといえるだろう。