LIXILは2023年4月27日、需要予測ソリューションを導入したと発表しました。サッシやドアなど230万SKUを対象に、AIを使った需要予測の試験運用を開始します。
LIXILは急激な事業環境の変化に対応すべく、DXによって生産体制とサプライチェーンの最適化を進めています。しかし、資材調達リスクやコンテナ不足などの世界的な問題が発生する中、膨大な製品の需要を人が予測をするのは難しい状況が続いていました。そこで同社は、これから先に起きるイシューを予見し、迅速に対応できる体制を構築すべきと判断。サプライチェーンの最適化に向けた取り組みの一環で、需要予測ソリューションを導入することに決めました。
導入したのは、PwCコンサルティングが提供するAI需要予測ソリューション「Multidimensional Demand Forecasting」。LIXILは2022年9月より、事業の約半数を占める既存品に対して需要予測ソリューションを利用し始めました。さらに2023年1月より、これまで予測できなかったモデルチェンジ品も予測対象とし、ほぼすべての製品で利用を開始。需要の予測値を算出できるようにしました。約120万機種の製品、販売エリア別に展開した230万のSKUを対象に需要予測を実施します。
具体的な活用例は次の通りです。
例:エリア別予測精度向上による 横持ち輸送コストを抑制
高解像度な予測により、エリア別の予測精度を向上できるようにしています。海外生産した製品を国内の6つの物流センターに輸送する際、SKUごとに適切な数量を船輸送できるようにし、ムダかつ高コストな日本国内での横持ち輸送発生も抑制します。2023年1月より、タイ工場、ベトナム工場、中国大連工場から中四国エリアの岡山物流センターに輸送する対象SKUの見直しにもAI需要予測ソリューションを活用します。今後は年3回実施する全エリアの定期見直しにもソリューションを展開する予定です。 例:需要予測対象の広さによる 手動対応(=業務コスト)の削減
AI需要予測ソリューションは、定番・量産品だけでなく、特注品や少量品の需要予測にも使えます。加えて、モデルチェンジ(旧モデルの終息、新モデルの立ち上がり)にも対応します。機械的アプローチが可能になり、手動対応が必要な範囲を極小化させることが可能です。この機会に、特定の従業員に頼っている計画業務を標準化し、業務の属人化を解消するとともに効率化も図ります。さらに浮いた工数を、欠品・過剰在庫・横持ち輸送コストといった潜在リスク低減活動に振り向けることで、好循環も促進させます。一方、旧モデルの終息に向けた需要の動きを正確に捉えることで、滞留在庫および廃棄コストの発生を抑制するとともに、納品リードタイム延長も防ぎます。 AIによる需要予測を活用することで、230万もの予測対象一つひとつの特徴を捉えた高精度な予測を算出できるようになりました。同社は、欠品やリードタイム延長、過剰在庫、廃棄コスト、横持ち輸送コストなどといったサプライチェーンのリスクを低減する効果にも期待します。今後、製品だけでなく副資材なども需要予測の対象に含めていく考えです。需要予測の対象領域をさらに拡大させる予定です。
例:エリア別予測精度向上による 横持ち輸送コストを抑制
高解像度な予測により、エリア別の予測精度を向上できるようにしています。海外生産した製品を国内の6つの物流センターに輸送する際、SKUごとに適切な数量を船輸送できるようにし、ムダかつ高コストな日本国内での横持ち輸送発生も抑制します。2023年1月より、タイ工場、ベトナム工場、中国大連工場から中四国エリアの岡山物流センターに輸送する対象SKUの見直しにもAI需要予測ソリューションを活用します。今後は年3回実施する全エリアの定期見直しにもソリューションを展開する予定です。 例:需要予測対象の広さによる 手動対応(=業務コスト)の削減
AI需要予測ソリューションは、定番・量産品だけでなく、特注品や少量品の需要予測にも使えます。加えて、モデルチェンジ(旧モデルの終息、新モデルの立ち上がり)にも対応します。機械的アプローチが可能になり、手動対応が必要な範囲を極小化させることが可能です。この機会に、特定の従業員に頼っている計画業務を標準化し、業務の属人化を解消するとともに効率化も図ります。さらに浮いた工数を、欠品・過剰在庫・横持ち輸送コストといった潜在リスク低減活動に振り向けることで、好循環も促進させます。一方、旧モデルの終息に向けた需要の動きを正確に捉えることで、滞留在庫および廃棄コストの発生を抑制するとともに、納品リードタイム延長も防ぎます。 AIによる需要予測を活用することで、230万もの予測対象一つひとつの特徴を捉えた高精度な予測を算出できるようになりました。同社は、欠品やリードタイム延長、過剰在庫、廃棄コスト、横持ち輸送コストなどといったサプライチェーンのリスクを低減する効果にも期待します。今後、製品だけでなく副資材なども需要予測の対象に含めていく考えです。需要予測の対象領域をさらに拡大させる予定です。
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