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日本オムニチャネル協会は出会いの場~協会の縁を感じて~

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関東、東北、九州エリアを中心に釣り用具販売店「キャスティング」を展開するワールドスポーツ。「釣りがつなぐ笑顔の先へ…」を企業理念に掲げ、店舗とECを通じて釣りの魅力や楽しさを発信し続けます。近年はDXを加速させるべく日本オムニチャネル協会に加盟。社内の業務効率向上はもとより、顧客体験価値の向上、さらにはEC事業の強化を進めています。日本オムニチャネル協会の活動を通じてどんなゴールを描くのか。店舗とECをどう結び付けようと考えているのか。さらには「釣り」という文化にどう関わり続けるのか…。ワールドスポーツ代表取締役社長の古川尚人氏に、デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長の鈴木康弘氏が話を聞きました。

自身の成長と新たな業務への取り組み

鈴木:古川さんのこれまでの経歴を教えてください。

古川:釣り具メーカーのグローブライドに勤務した後、2015年にワールドスポーツに入社しました。グローブライドでは主に営業担当として、全国各地の営業拠点を転々としていました。13回の異動と転勤を繰り返す中で、アフターサービスや新規事業、ロジスティクスといった営業以外の業務にも従事しました。さまざまな地域の人や取引先と接する中で、多くを学べたと思います。しかし一方、新しい環境でお客様とより近く関わりたいという気持ちが強くなり、小売事業を展開するワールドスポーツへの転職を決意しました。新しい領域に踏み込むことで、自分自身の成長にも繋がったと感じています。

鈴木:BtoBからBtoCへ、大きな転換だったと思います。

古川:はい。考え方自体を180度変える必要がありました。メーカー時代は「ものを売り込む」という仕事が中心でしたが、小売では、お客様との繋がりを築き、「ファン」になっていただくことの重要性を痛感しました。小売であれば、直接お客様とやり取りし、その反応を肌で感じることができます。お勧めした商品を使ってみたらとっても良かった、おかげで楽しい釣りができた、笑顔で「ありがとう」と言っていただけることが私にとって何物にも代えがたい喜びです。それが、私が小売業界を選んだ理由です。

鈴木:その過程で何か大きな壁にぶつかりましたか?

古川:私が入社した2015年は、キャスティング、フィッシングワールド、フィッシャーマンという3つの会社が統合した直後で、それぞれの企業文化や仕事の進め方の違いをまとめ、同じ方向に導くという、大きな課題に直面していました。2012年の統合以前は、九州を拠点としていたフィッシングワールド、関東と東北を拠点としていたワールドスポーツ、そして関東に拠点をもつキャスティングというように、それぞれの会社が異なる地域で事業を展開していました。そのため、統合後は店舗運営や商品管理、顧客対応など、あらゆる面で統一を図る必要があり、一筋縄ではいきませんでした。そこで、自身のメーカー時代に小売へ出向した経験を活かし、「変化を受け入れ、新しいワールドスポーツを共に創り上げていこう」と社員に訴えかけ、改革を進めていきました。

写真:ワールドスポーツ 代表取締役社長 古川尚人氏

実店舗とECの融合 – 専門性が生む信頼を通した顧客体験価値の最大化

鈴木:事業を進める中で、釣具業界においても、EC市場が拡大していますが、ワールドスポーツでは実店舗とECをどのように融合しているのでしょうか?

古川:当社では、ECサイトで商品を見たお客様が、最寄りの店舗で商品を取り寄せ、確認した上で購入できる「店舗取り寄せサービス」を提供しています。また、ECサイトで購入したリールに、店舗で糸を巻くサービスも好評です。お客様の釣りのスタイルや希望をお聞きしながら、最適な糸をご提案しています。また、店舗で見た商品サンプルをECサイトで予約して購入することも出来ます。商品によって、お好みのオプションパーツを選んだコーデも可能です。

鈴木:ECサイトだけでは得られない、きめ細やかなサービスが魅力ですね。

古川:釣りの情報は、インターネット上にも溢れていますが、必ずしも全てが正しいとは限りません。実際に現場で釣りをしている店員だからこそ伝えられる、生の情報や経験を共有することで、お客様との信頼関係を築き、より深い顧客体験を提供できると考えています。

鈴木:さらにECサイトやコンテンツを進化させるために、社内で取り組まれていることはありますか。

古川:在庫管理システムを導入し、EDI化を進めることで、リアルタイムな在庫状況の把握と、発注業務の効率化を実現しました。また、情報共有ツールとしてLINE WORKSを導入し、成功事例や売れ筋商品の情報などを、全国の店舗間で共有しています。自社のオウンドメディアとしての最新釣果情報やスタッフブログ、デジタル潮時表TIDE@、自主制作動画などもお客様とのタッチポイントとして活用しています。新しい釣りにチャレンジしてみたいとのご要望にECサイトで借りれるレンタル釣具サービスや釣りの体験ツアーもご用意しています。他にも、オムニチャネル協会を通して出会ったXbitのシフト管理ツールやkivaの延長保証サービス、Canlyのクラウドサービスなども社内にて活用させていただいております。

鈴木:オムニチャネル協会に加盟した理由や、期待していることを教えてください。

古川:オムニチャネル協会には、異なる業界の企業が多数加盟しており、様々な事例やノウハウを共有できることに魅力を感じています。特に、分科会を始めとする協会員の皆様との勉強会では、今まで知らなかった手法や考え方を知ることができ、大変参考になっています。例えば、業務効率化のためのシステム導入や、顧客とのコミュニケーション強化のためのデジタルマーケティング戦略など、具体的な事例を交えながら学ぶことができます。分科会の動画を見たいときに、いつでも視聴できることもありがたいですね。また、異なる業界の視点から、当社事業の課題や改善点、デジタルシフトを進めながら新たなサービスを生み出すDX化について、客観的な意見をいただくこともできます。

写真:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏

ワールドスポーツの未来

鈴木:最後に、ワールドスポーツの今後の展望をお聞かせください。

古川:私たちは、釣りという文化の素晴らしさを、未来へ繋いでいきたいと考えています。まずは、釣りの楽しさを、もっと多くの人に知ってもらうことが重要です。子供からお年寄りまで、誰もが気軽に釣りを楽しめるような環境作りを目指し、釣りの魅力を発信していきます。また、日本の魚食文化の継承にも貢献していきたいと考えています。新鮮な魚を味わえる喜びや、魚を丁寧に扱う心を、次世代へと伝えていきたいですね。

鈴木:壮大なビジョンですね!

古川:釣りは、人生を豊かにする素晴らしい趣味です。私たちは、これからも、日本の釣り文化を通して、世界中の人々に笑顔と感動を届けていきたいと考えています。

鈴木:本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

古川:こちらこそありがとうございました。

株式会社ワールドスポーツ
https://castingnet.jp/

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