2022年7月10日に実施される参議院議員選挙。これを受けて自治体の中には、デジタルを活用して選挙に参加しやすくする環境づくりを進めるケースが散見されます。具体的にどんな支援策か。主な自治体の動きと、選挙に役立つ情報提供サービスを紹介します。
不在者投票用紙をオンラインで請求可能に
選挙日当日は出張で選挙に行けない…。こんな人でも選挙に参加できるような制度が不在者投票です。公(告)示日の翌日から投票日前日までに、滞在先の選挙管理委員会などで投票できます。
神奈川県横浜市は、不在者投票をより利用しやすくするサービスを提供します。今回の参議院議員選挙から、スマートフォンやパソコンなどを使って不在者投票の投票用紙を請求できるようにします。これまでは「請求書兼宣誓書」と呼ぶ書類を持参、もしくは郵送しなければ請求できませんでした。
出張や旅行、出産などで横浜市外に滞在している人でも、スマートフォンやパソコンを使って投票用紙を容易に請求することができます。アプリを使って住んでいる区を設定するほか、電子署名やマイナンバーカードをスキャンすることで申請できます。もっともスマートフォンで請求する場合は専用アプリを、パソコンで請求する場合はパソコン用アプリとICカードリーダーが必要がです。マイナンバーカードも必要です。
同様のオンライン請求を埼玉県戸田市も実施します。これまでの持参または郵送による投票用紙の請求に加え、スマートフォンやパソコンを使ってオンラインで請求できるようにします。
事前に用意するものも横浜市と同じです。スマートフォンで請求する場合は専用アプリを、パソコンで請求する場合はパソコン用アプリとICカードリーダーが必要がです。ともにマイナンバーカードも必要です。
期日前投票所の混雑状況を可視化
選挙日前に投票を実施する期日前投票。選挙日当日は都合が悪く投票できないという人向けの制度として定着しつつあります。
そんな期日前投票をより利用しやすくするサービスを提供するのが千葉県印西市です。同市は期日前投票所の混雑状況をインターネット経由で確認するサービスを提供します。リアルタイムの混雑状況を把握できることから、混雑していないときに投票できるのがメリットです。混雑による密を回避するのにも有効です。
混雑状況の可視化には、バカンのリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を利用します。投票所などの施設の混雑状況を確認する機能を備え、利用者はマップから投票所の混み具合を把握できます。マップ上では「空いています」「やや混雑」「混雑」の3段階で混雑状況を表示します。
via corp.vacan.com
なおバカンは2022年6月22日、50自治体以上で投票所の混雑状況把握に「VACAN」を導入したことを発表しました。期日前投票所だけではなく選挙当日の投票所の混雑状況も可視化します。
「VACAN」を導入した自治体は、埼玉県の40自治体、東京都板橋区、北区、練馬区、目黒区、三重県四日市市、石川県加賀市などです。
自分の意見に近い政策や公約を掲げる政党をマッチング
どの政党に投票すればいいか決めかねている…。そんな人には、自分の意見や考えに近いと思う政党をマッチングするサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
イチニは2022年6月23日、Webサービス「投票マッチング」を発表しました。これは、自分の意見に近い政党をマッチングするためのオンラインサービス。政策に関する20の質問に対し、「賛成」から「反対」までの5つの選択肢から答えを選ぶだだけで、自分の意見に近い政党をマッチングします。回答ページでは、各政策のメリットやデメリットも解説します。評価し難い政策を判断する参考資料として活用できます。
via ichi-ni.jp
via ichi-ni.jp
なお、マッチングには同社独自のアルゴリズムを用います。各政党が発表した政策・公約と、イチニが各党に送った政策に関するアンケート結果をもとにマッチング度を算出します。
マッチングの対象は、比例代表に名簿を届出している全政党(自由民主党、公明党、立憲民主党、日本共産党、日本維新の会、国民民主党、社民党、れいわ新選組、NHK党、参政党、幸福実現党、日本第一党、新党くにもり、維新政党・新風)です。
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