アスクルは2021年6月30日、複数の予測モデルに基づくシミュレーションを実施するデータプラットフォーム「アスクル・シミュレータ」を構築したことを発表しました。物流のデジタルツインを実現し、サプライチェーン全体の課題解決と最適化を図ります。同社はプラットフォームをさまざまな業務への実用化に向け取り組みを進めていく考えです。
今回構築した「アスクル・シミュレータ」は、同社のDX基盤となるデータ・エコシステム「ASKUL EARTH」の構成要素の1つ。「ASKUL EARTH」では、「データレイク(湖)」に貯まる既存システムからのデータを、「モデル(土地)」で構造的に整理し、個別業務を最適化する予測モデルを構築します。しかし、各モデルはそれぞれ最適化する指標が異なります。そこで、「ASKUL EARTH」の最上層「可視化・シミュレーション(森林)」に位置する「アスクル・シミュレータ」によって、複数の予測モデルを連携した全体最適化を実現します。
via www.askul.co.jp
まずは「アスクル・シミュレータ」を、事業所向け(BtoB)サービスにおける非在庫品から在庫品への切り替えによる売上改善予測モデルなどに使います。具体的には、過去に在庫化した商品の実績値を使い、在庫化前後の出荷数量の変化を予測するモデルを構築。予測結果に基づき在庫化した商品データを蓄積し、再学習を繰り返すことで予測モデルの性能を向上させられるようにします。
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同社は今後、「アスクル・シミュレータ」へ新たな予測モデルを順次追加していきます。「アスクル・シミュレータ」の活用を推進し、IoTでサイバー空間にフィジカル空間の環境を再現することで物流デジタルツインの実現、およびサプライチェーン全体の最適化を目指す考えです。