株式会社日本取引所グループ(JPX)と株式会社日立製作所は、国内金融市場の取引システムにおける運用監視業務に、生成AIを本格適用したと発表しました。2026年10月から日立の「JP1 Cloud Service 生成AIアシスタント」を導入し、システム障害につながるアラート発生時の初動対応を支援します。
対象となるのは、株式やデリバティブ商品などの取引を担う40以上のシステムです。24時間365日の集中監視業務にAIを活用し、熟練担当者の経験に依存していた判断の標準化と、業務の生産性向上を目指します。
1万件以上の過去事例を活用、AIの判断精度97%超を確認
JPXでは、システムの複雑化やIT人材不足を背景に、熟練者のノウハウ継承が課題となっていました。
今回導入したAIは、アラート発生時に関連する対処手順を絞り込み、判断根拠とともにオペレーターへ提示します。経験の浅い担当者でも、適切な初動対応を選択しやすくする仕組みです。
実運用を想定した概念実証(PoC)では、1万件以上の過去の障害対応事例や手順を活用。約1,600件のテストケースを用いた検証で、正しい対処手順の候補を絞り込む精度が97%以上に達しました。
AIエージェントによる障害対応の高度化も視野に
JPXと日立は2022年から、AIを活用したシステム運用の高度化について検討を進めてきました。
今後は、障害発生時の原因の切り分けやエラー対処など、現在は人が担っている業務にもAIの適用を拡大する方針です。将来的にはAIエージェントの活用も視野に入れています。
見解として、今回の取り組みは、金融市場のように高い安定性が求められるシステムでも、AIを判断支援に活用できることを示す事例です。熟練者の知識を組織全体で共有し、運用品質のばらつきを抑える手法として、他の社会インフラ分野にも参考になりそうです。
詳しくは、日立製作所の公式ニュースリリース一覧をご確認ください。
レポート/DXマガジン編集部





















