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コラム

相手に興味があることを伝え、意識的に相手を誉めよ!

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相手との距離を縮めるためにはどんな姿勢を相手に伝えるべきか。どんな言葉をかけるべきか。これらを徹底的に考え、相手に自分の思いを言葉で伝えることが良好な人間関係を築くためには不可欠です。このときもっとも大切なのが、「誉める」という行為です。相手をどう誉めるべきかについて考えます。【週刊SUZUKI #145】

「外交」の核心は、相手との心理的距離を縮め、相互理解を深めることにあります。そのためには、あなたが相手に対して抱いている興味を、明確に伝えることが不可欠です。このとき、もっとも効果的な方法の1つが、意識的に相手を誉めることです。なぜなら、誉められて嬉しくない人はいないからです。

人は誰しも、承認欲求を持っています。自分の存在や努力が認められること、価値を評価されることに喜びを感じます。相手の長所や努力、成果を具体的に言葉にして伝えることで、相手は「この人は私をよく見てくれている」、「私のことを理解しようとしてくれている」と感じ、あなたに対して肯定的な感情を抱くようになります。

ただし、闇雲に褒めれば良いというものではありません。大切なのは、「意識的に」かつ「具体的に」褒めることです。

例えば、「すごいですね」と言うだけでは、お世辞に聞こえかねません。「〇〇さんの、あのプレゼンテーションでのデータ分析の鋭さには本当に感銘を受けました」や、「今回のプロジェクトでの〇〇さんの迅速な対応は、チームにとって非常に助けになりました」など、具体的な行動や成果を褒めることで、あなたの言葉に真実味と説得力が生まれます。

心からそう思っていることを伝えられるようにすべきです。表面的な褒め言葉は、かえって相手に不信感を与えてしまう可能性があります。相手の話、表情、感情に意識を集中し、相手の「心の底」を理解しようと努めることで心からの褒め言葉が必ず見つかります。

褒めるタイミングも重要です。相手が何かを達成した直後や、少し自信をなくしているように見えるときなど、適切なタイミングで褒めることで、その効果は倍増します。

相手に興味があることを伝えるという行為は、あなたが相手にとって「価値ある存在」だと示唆することにもつながります。共通の興味を見つけるようと努力するのはもちろんですが、相手の強みや才能を素直に認め、それを言葉にして伝えることで、相手はあなたとの関係に「喜び」や「成長」を見出すようになるはずです。

「褒める」というシンプルな行為は、心理的なバリアを取り除き、相手の心を開く強力な鍵です。相手との信頼関係を構築し、より深いコミュニケーションへと発展させるための第一歩とも言えます。今日から周囲の人々の良い点、素晴らしい点を積極的に見つけ、心からの褒め言葉を意識的に伝えてみてください。その小さな一歩が、あなたの「外交」を成功へと導く大きな力となるでしょう。

【外交の心得 その22】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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