富士通株式会社が、偽・誤情報やAIシステムの脆弱性、法規制対応といった課題に包括的に取り組む国際コンソーシアム「Frontria」を創立しました。世界中から50以上の組織が参画し、最先端の技術と知見を結集する共創の場として、健全でレジリエンスの高い情報社会の実現を目指します。単独組織では難しい領域を国際連携で解く設計が特徴で、技術、ユースケース、ビジネスモデルを一体で磨くエコシステムを提供します。記事内の企業名表記はプレスリリース元会社名に統一しています。
創立の背景 EU AI Act対応と経済損失の現実
生成AIの普及でフェイク音声や偽・誤情報が拡散し、AIの公平性やセキュリティも喫緊の課題となっています。 EU AI Actなど国際的な規制対応の要請が強まる中、2023年には偽・誤情報による経済損失が12.2兆円との報告も示され、企業には罰金やサイバー攻撃による機会損失といったリスクが現実化しています。 Frontriaは、これら複雑な問題を技術開発から社会実装まで横断的に扱い、業界別の課題とニーズに根差した解決策を共創することを狙いとしています。 国や組織の枠を超えた連携により、信頼性と安全性を両立したデジタル社会基盤の形成を進めます。
参加組織と運営体制 技術プールを軸にしたコミュニティ設計
参画は国内外の企業、アカデミア、法律事務所、金融機関など多様です。創立時点で50以上の組織が名を連ね、LINEヤフー、第一生命HD、東京海上HD、明治安田、みずほFG、OKI、MS&ADや海外大学・企業などが加わります。運営は、イノベーションパートナー、技術IPプロバイダ、データプロバイダ、エンジニアリングパートナー、インキュベータが役割を分担します。コミュニティは偽・誤情報対策、AIトラスト、AIセキュリティの3グループを設置し、金融、保険、メディア、エンタメ、リーガル、AI事業などの業界WGでユースケースを検討します。結果は参加プレーヤーにフィードバックされ、技術、サービス、事業の質を高める循環を生み出します。
技術と価値創出の仕組み フェイク検知から公平性まで
富士通株式会社は、金銭要求や本人詐称などのリスクに対応するフェイク検知、AIの公平性確保などのコア技術をトライアル提供します。参画組織は技術を磨き、ユースケースを創出し、アプリケーション開発から市場展開までを連携して推進します。開発者コミュニティでノウハウ共有や技術コンペを行い、コア技術の開発加速と価値向上を図る点もポイントです。これにより、偽・誤情報対策やAIセキュリティの実効性を高め、参画組織の社会貢献と持続的な組織価値の向上につなげます。技術IPとデータ、アプリケーションが循環する設計は、迅速な社会実装の推進力となります。
ロードマップと実務的な示唆 グローバル100超の体制へ
2025年度は日本、欧州、北米、インド、オーストラリアなどで活動を開始し、各業界で新たなユースケース創出を進めます。2026年度中に100以上の参画組織へ拡大し、Frontria発のIPビジネス事例を複数創出する計画です。実務面では、企業は自社の偽・誤情報リスク評価とAIトラストのギャップ診断を起点に、FrontriaのWGへ課題を持ち込むことが有効です。併せて、検証用データ提供と技術トライアルの場を社内で整備し、成果をガバナンスと運用標準へ反映することが推奨されます。法務、広報、サイバー、事業部の横断チームを常設し、国際規制対応と実装のスピードを両立させる体制が鍵となります。国際共創の波を活かし、信頼と安全を備えたデジタル社会づくりに向けて一歩を踏み出す好機です。






















