統計史上最悪の2025年、クマによる死亡事故は11月時で13名に達しました。Forex Roboticsが発表した「くまアラート™」は、エッジAIで現場検知→現場警告→半径5kmへの一斉通知をリアルタイムに行い、アーバンベアの「ばったり遭遇」を防ぐ初動対策を目指します。
くまアラートの仕組みと導入スキーム
Forex Roboticsが発表した「くまアラート™」は、エッジAIを搭載したカメラデバイスで現場のクマを即時検知します。検知時にはデバイス内の警告灯が点灯して現場にいる人へ直接注意を促します。さらに位置情報と検知データをリアルタイムでクラウドの通知サーバへ送信し、連携するスマートフォンアプリから半径5km以内の近隣住民へ一斉通知が行われる仕組みです。こうした「現場での可視化」と「近隣への即時周知」を組み合わせることで、ばったり遭遇型の初動対応が可能になります。
同社は既に有害獣捕獲情報管理システム「いのしかレコード」を提供しており、そのノウハウを応用してデバイス開発を進めてきました。今年はクマ被害が深刻化し、被害ケースの精査で半数が市街地でのアーバンベアによる死亡事故であることが判明したことが開発の背景です。代表の髙橋氏は、従来のトレイルカメラだけでは初動対応が取れないと判断し、リアルタイム性を重視した本システムを特許出願中で開発しました。
現在はTiB(Tokyo Innovation Base)や栃木県の指導・支援を得て、那須塩原市の協力で12月からフィールド実証を予定しています。並行してスマート罠デバイス「わなカカッタ™」も開発中で、実証で得られる運用データを基に精度向上と運用マニュアル化を進める計画です。正式販売は2026年4月を目指しています。
導入の資金面には課題があり、自治体側の予算策定や札プロセスを待つだけでは導入が間に合わない恐れがあります。そこでForex RoboticsはCAMPFIREで「みんなで応援!クマ対策実証パック」というクラウドファンディングを開始し、被害自治体へのフィールド実証導入と1年間の保守をパッケージで提供する方式を提示しています。これにより今年度に被害が出た自治体を優先して実証を展開する狙いです。
国家の対策パッケージは捕獲や人員育成に重点が置かれていますが、髙橋氏は「初動対応がセットになっていないと被害後の後手対応になりがち」と指摘します。くまアラートは現場検知から住民周知までを一気通貫で短縮し、被害の減災につなげることを狙っています。東京都でも八王子まで目撃情報が上がるなど都市部でのリスクが無視できない現状を踏まえ、自治体と市民の協力で早期導入を促す仕組み作りが鍵です。
エッジAIによる即時通知は、アーバンベア対策の初動を変える現実的な一手です。自治体の予算手続きと市民合意をいかに迅速に得るかが普及の分岐点になるでしょう。
詳しくはForex Roboticsの公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















