楽天銀行は2月適用の変動型住宅ローン基準金利を、1月から0.11ポイント引き上げて1.907%にすると発表しました。2025年12月の日銀による政策金利の引き上げを背景に、短期金利の上昇が変動型に波及しています。住宅ローンは固定型が長期金利、変動型が短期金利に連動し、国土交通省のデータでは新規貸出の84%が変動型を選択しています。選択比率の高さから、今回の引き上げは幅広い借り手に影響が及ぶ見通しです。不動産価格の上昇も進む中で、家計の負担感は一段と強まります。
楽天銀行は指標として東京銀行間取引金利のTIBORを採用しています。1カ月物TIBORは、日銀が利上げを公表した2025年12月19日と比べ、1月14日時点で0.02ポイント高い0.86%となり、約17年ぶりの水準を付けました。指標金利の上昇が基準金利改定に反映された格好です。影響は楽天銀行にとどまらず、三菱UFJ銀行は独自に決める短期プライムレートを2月2日に0.25ポイント引き上げ2.125%とし、これを参照して3月1日に新規借入の変動型基準金利を見直します。三井住友銀行やみずほ銀行も短プラの引き上げを公表しており、春ごろに変動型の基準金利を引き上げる可能性があります。ネット銀行ではPayPay銀行などが春ごろの引き上げを検討しています。
資金需要側の負担増要因として、不動産価格の高止まりが続きます。不動産経済研究所によれば、2024年の新築マンションの1戸当たり販売価格は首都圏平均で7,820万円となり、2020年比で29%上昇しました。東京23区は1億1,181万円で45%増と伸びが顕著です。これに対応し、金融機関は借入上限額の引き上げを進めています。住信SBIネット銀行は2025年2月から上限を2億円から3億円へ拡大し、住宅金融支援機構は2026年4月に固定金利の公的住宅ローン「フラット35」の融資限度額を8,000万円から1億2,000万円に引き上げます。高額物件への資金需要に沿った制度変更が相次ぐ局面です。
返済条件では、期間の長期化が鮮明です。住宅金融支援機構の2025年4月調査では、35年超50年以内の超長期ローンを利用する人の割合が25.5%となり、3年前の調査から約3倍に増えました。返済期間が退職期にかかる可能性が高まることで、返済不能リスクの増大が懸念されます。ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏は、住宅価格の上昇ペースに名目賃金の伸びが追いついていないとし、老後にリスクを後ろ倒しする形になっていると指摘しています。今後も金利動向と価格動向の双方が、家計の返済計画に影響を与える状況が続きます。
費用面の対策としての各社の施策も示されています。楽天銀行は住宅ローンの事務手数料を税込33万円の固定とし、融資額の2.2%を手数料とする方式と比べて高額借入での負担軽減につなげています。例えば1億円の借入なら単純計算で手数料は220万円となるところ、楽天銀行では33万円に抑えられます。PayPay銀行はソフトバンク契約者向けに金利を最大0.23%引き下げる優遇を提供しています。短期金利上昇局面で、基準金利だけでなく手数料や優遇策の有無が実質負担に影響する点が焦点となります。
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