投稿
社会インフラの現場にAIが入り始めています。日立は2026年4月1日、Lumada Innovation Hub Tokyo内に「フィジカルAI体験スタジオ」を開設します。注目は、HMAXを核にITとOTを結び、分析から現場アクションまでを一気通貫で体験できる点です。ロボティクスAIやウェアラブルなど、具体デモで実装を前進させます。
フィジカルAIの要諦と体験設計、3アプローチで学ぶ価値創出のサイクル
株式会社 日立製作所は、フィジカルAIを現場データの分析と判断をロボット制御や設備の自動操作といったアクションに接続する技術と定義します。HMAX by Hitachiの位置づけとして、ITとOTの連携により生産性、品質、安全の課題解決を加速します。新スタジオは協創の戦略拠点であり、Google CloudやMicrosoftなどのパートナーと連携します。日立研究開発グループのロボティクスAIや、人計測センサーとGlobalLogicのソフトウェア開発力を融合したウェアラブルセンサーを体験できます。AIアンバサダーをはじめとするプロフェッショナル人財が、ビジョン整理から解決アプローチ策定まで伴走すると説明しています。自社の現場を「カスタマーゼロ」とする実践で磨いた知見に基づく点も特徴です。
体験は三つのアプローチで構成されます。一つ目はエッジでの推論です。スマートフォンなどから画像データを読み込み、その場でAIが判定してフロントラインワーカーを支援します。日立とGoogle Cloudの戦略的アライアンスによるGemini Enterpriseを活用したAIエージェントのデモが用意され、ノーコードで現場主導の生成と改善が可能としています。設備保守での状態比較と判定により、ダブルチェックの精度向上と見落とし防止を狙います。二つ目は学習です。視覚と力学などのマルチモーダル情報を統合した深層予測学習により、人の動作を模倣します。現場で自ら学び最適化し、従来困難だった複雑作業を自動化するロボットを常設展示します。三つ目はデジタルツインです。現場データをもとに仮想空間でシミュレーションし、危険箇所の特定や安全手順の自動確認など、オペレーションの最適化を支援します。
背景として、労働人口の減少や熟練者不足、インフラ老朽化が挙げられています。多くの企業が「何から始めるべきか」で立ち止まる中、体験スタジオはフィジカルAIの可能性を個別課題に接続する場となります。展示は単なる技術紹介ではなく、カスタマーゼロでの検証に基づくリアルなデモを提示します。日立はオープンな協創エコシステムを強調し、アライアンス各社の最先端技術と自社ドメインナレッジの掛け合わせで解を迅速に提供するとしています。デモには、デジタルツインとAIエージェントの連携による安全性向上の動画も含まれます。危険エリアの可視化や手順遵守の自動確認など、現場の安全価値に踏み込みます。
今後の展望として、体験デモとユースケースの継続的拡充を掲げます。GlobalLogicのソフトウェア開発力と日立のOTやプロダクトのナレッジを融合したAIソリューションやエージェント事例の紹介を予定します。日立エナジーとMicrosoftのAIエージェントによる業務変革など、グローバルのユースケースも追加予定です。さらに、AI Factoryとの連携で、議論から生まれたアイデアを迅速にAIアプリケーションへ実装し、価値創出のPDCAを加速させるとしています。協創の森、Automation Square(羽田・京都)、日立ビルソリューション-ラボなどの拠点とも連携し、仮説検証を高速化します。
スタジオは、HMAXを中核としてITとOTを接続し、現場での学習とアクションを一致させるための装置です。エッジ推論、模倣学習ロボティクス、デジタルツインの三位一体で、品質と安全、効率を一段引き上げる構成です。AIエージェントが現場主導でノーコード生成と改善を可能にし、フロントラインの業務変革を後押しします。力触覚を活かした繊細作業の自動化など、現場適用レベルの速度と品質を目指す点も具体的です。協創パートナーとの掛け合わせで、複雑な課題への最適解を迅速に導出する体制が整えられています。
本取り組みは、社会インフラの保守や製造、物流など幅広い分野での課題解決を念頭に置いています。日立は「世界トップクラスのフィジカルAIの使い手」を目標に掲げます。2026年5月20日には「Hitachi Physical AI Day」をザ・プリンスパークタワー東京で開催予定です。フィジカルAIが拓く未来と実装アプローチをテーマに、セッションと展示で議論を深めます。イベント詳細は4月上旬に案内予定としています。
フィジカルAIは、ITの分析と現場のアクションの距離を縮める技術です。スタジオでの協創とデモが、現場実装のハードルを下げる役割を果たすと考えられます。
詳しくは「株式会社 日立製作所」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















