事業継続計画の策定が進む中で、規模による格差と経営資源の不足が浮き彫りになりました。株式会社帝国データバンクは、全国2万2,749社を対象にBCPへの取り組み状況を調査し、有効回答1万521社から結果をまとめています。調査期間は2026年5月18日から5月31日で、回答率は46.2%です。BCPを策定している企業は21.4%で、前年から1.0ポイント増加し過去最高となりました。一方で、策定していない企業が40.7%と依然4割を超えています。策定中や検討中を含む策定意向ありは50.5%に達し、導入への前進が読み取れます。
規模別では、大企業の策定率が39.9%に対し、中小企業は18.3%で20ポイント以上の差が続きます。中小企業からは必要性を感じつつも日々の業務に追われ着手できないという声が示されました。サプライチェーン全体での対応が求められる局面が増え、個社単独の取り組みには限界がある実情もうかがえます。地理的には、策定意向ありが富山62.5%と高知61.7%で6割を超え、香川59.5%や静岡58.3%も高水準でした。能登半島地震や南海トラフ地震の想定が、意識の高まりに影響しているとみられます。企業のコメントには、備えの重要性や計画の明確化に手応えを得る声が並びました。
想定リスクでは自然災害が67.8%で最多となり、情報セキュリティ上のリスクが50.2%で増加しました。設備の故障が37.9%、感染症が37.3%、インフラの寸断36.8%、物流の混乱36.5%が続きます。複合的かつ連鎖的な事象への目配りが必要になっており、単一リスク対応では足りない現状が数字に表れています。実施や検討内容は、従業員の安否確認手段の整備が65.3%、情報システムのバックアップが59.5%で、初動対応とIT基盤維持の重視が鮮明です。調達先や仕入先の分散が42.1%で拡大し、生産や物流拠点の分散も15.6%に伸びました。地政学的変動や供給制約の長期化を踏まえ、サプライチェーンの耐性向上が意図されています。
未策定の理由は、策定に必要なスキルやノウハウがないが42.2%で最多でした。策定する人材を確保できないが33.5%、策定する時間を確保できないが28.1%と続き、規模を問わず共通の課題となっています。専門性の高い知識の不足、専任担当を置きにくい実情、日常業務の優先度の高さが重なり、計画の実効性確保に向けた壁となっています。段階的に対策を進める姿勢や、安否確認、データバックアップ、調達分散といった施策から着手する動きの広がりが、今後の策定率の押し上げにつながると考えられます。BCPは、自然災害のみならずサイバーや物流の混乱にも備える経営課題として位置付けられています。事業継続の水準と期限を明確にし、計画の具体化と運用を進めることが求められます。
詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















