男性育休の取り方が「取得するかどうか」から「どれだけ長く取るか」へと変化しています。転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社は、2025年度に育休を取得した男性社員の実績を公表しました。育休の取得率は91.9%となり、1カ月以上取得した割合は67.0%で前年から16.5ポイント増えました。平均取得日数は79.8日で、長期取得の選択が定着しつつあることがうかがえます。同社は、情報提供や相談体制、管理職研修などの実務的な施策を通じて、育児と仕事の両立を後押ししています。今後もライフステージに応じて安心して働ける環境づくりを推進するとしています。
1カ月以上の長期取得が進展 育休取得率は91.9%、平均79.8日
パーソルキャリア株式会社は、2025年4月から2026年3月までの期間における男性社員の育休取得状況を公表しました。男性の育休取得率は91.9%と高水準で、制度利用が広がっていることが示されています。中でも1カ月以上の取得率は67.0%となり、前年から16.5ポイント増加しました。平均取得日数は79.8日で、従来の短期取得から長期取得に重心が移っている点が特徴です。一方で、未取得のケースも存在し、業務特性や本人の意向などを踏まえた結果、取得に至らなかった事例が確認されています。また、一部の専門職では育休取得に代えて、リモートワークやフレックスタイムを活用し、育児と仕事の両立を図る選択も見られました。こうした実態は、制度の量的拡大に加え、個々の働き方に応じた柔軟な運用が進んでいることを示しています。
体制整備と現場浸透の両輪 情報提供、相談、管理職研修、コミュニティ施策を実施
同社は1カ月以上の育休取得促進に向けて、社内の基盤整備と現場定着を両立させる具体策を展開しています。まず、産休と育休の手続きや復職後のキャリアを解説するガイダンス資料と動画を社内ポータルで公開し、取得後の生活像を体験談とともに具体化しています。さらに、労務知識の社内認定を受けた人事担当者によるオンライン1on1相談「コンシェルジュサービス」を設け、2025年度は男性育休に関する相談だけで年間約140名が利用しました。管理職向けには、時短勤務を体験する「制限のあるはたらき方理解研修」を実施し、ノー残業体験や急な呼び出し対応を通じて業務運営の見直しを促しています。これにより、会議時間の見直しや時間外労働削減のナレッジ共有といった行動変容が生まれています。加えて、パーソルホールディングスの男性育休推進部や社内のママパパ応援部など、社員主体のコミュニティによる情報共有と相互支援の機会も設けられています。
現場の声が示す効果 取得前後の不安解消と復帰後の働き方の変化
育休取得者の声として、クライアントプロダクト本部の渡部翔太さんは、初めての育児に対する不安や長期間の離職に伴う懸念を抱きながらも、上司への早期相談と引き継ぎ準備、コンシェルジュの活用により前向きに取得できたとしています。取得期間中は夜間のミルク、寝かしつけ、沐浴、買い物など授乳以外の育児と家事を担い、夫婦で役割を柔軟に見直しながら過ごしたと語りました。その結果、復帰後は家事と育児の自然な分担が進み、限られた時間で成果を出す意識が高まったとしています。上司の平子清孝さんは、取得自体への違和感はなく、早期からの対話を通じて計画的に体制を整えたと述べています。また、復帰後の業務や組織状況を見通せるよう情報共有を行い、安心して復帰できる環境づくりを重視したとしています。柔軟な働き方が前提として浸透している職場環境の中で、取得支援だけでなく復帰後の定着支援が重要だという認識が示されました。
実務で活用できるポイント 情報の見える化、相談窓口、管理職の体験型学習
公表された取り組みからは、いくつかの実務上の示唆が得られます。第一に、制度や手続きを体系化した資料と動画で可視化し、取得前の不安を減らすことが有効です。第二に、労務知識を備えた担当者によるオンライン1on1相談を設けることで、個別事情に即した解決策を提示しやすくなります。第三に、管理職が制約下の働き方を実地で体験することで、現場の会議設計や業務分担の見直しが進みます。さらに、社員主体のコミュニティによる相互支援は、取得から復帰までの連続的な学びと安心感につながります。未取得事例が示す通り、業務特性や本人の意向を踏まえた柔軟な選択肢として、リモートワークやフレックスタイムの併用を設計に含めることも有効です。長期取得の拡大と復帰後の定着を両立させるためには、制度、運用、文化の三位一体の取り組みが鍵となります。
詳しくはパーソルキャリア株式会社の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















