名鉄百貨店本店の営業終了決定など、全国で百貨店の閉店・廃業が相次いでいます。2026年以降に判明した閉店は8店舗にのぼり、前回調査から5年で調査対象は70社から58社に減少しました。百貨店空白県は山形県、徳島県に島根県、岐阜県が加わり4県となりました。顧客はショッピングモールや専門店、ECサイトへ流出し、2025年度決算では主要58社のうち8割超が減収となりました。地場独立系はとりわけ厳しく、減収企業率は約9割に達しています。市場縮小の中でも事業再生やオーナーチェンジの動きは増加しており、選択と集中が急務となっています。
2025年度は主要58社で減収減益が鮮明に
主要58社の2025年度売上高は2兆630億円で前期比2.7%減となり、純利益は1,113億で24.6%減でした。2024年度は値上げ効果で増収となったものの、人件費などのコスト上昇が響き、2期連続の減益となりました。最新決算では減収が49社で構成比84.4%、増収は9社の15.5%にとどまりました。前期比では0%から5%の減収が29社に集中し、10%以上の大幅減収も9社に見られました。損益判明57社では黒字35社、赤字22社となり、赤字企業は前年度から5社増加しました。増減益では増益17社に対し減益40社で、収益力の低下が一段と進んだことが数字に表れています。
地方の空洞化が影を落とす一方、上位大手も15社が減収
閉店や廃業の動きは地方の地場百貨店で顕著で、地域経済の停滞や設備老朽化への対応難が背景にあります。地場独立系26社のうち増収は3社にとどまり、23社が減収でした。損益は黒字13社、赤字12社で拮抗し、厳しさと継続努力の両面が見られます。売上高トップは髙島屋の3,280億円で、2位は三越伊勢丹の2,833億円、3位は大丸松坂屋百貨店の2,499億円でした。上位20社のうち15社が2024年度比で減収となり、都心旗艦店を抱える大手であっても市場の逆風を避けられていません。百貨店空白県は4県、店舗が1店のみの都道府県は16県に及び、商圏の縮小と顧客接点の希薄化が構造課題として浮き彫りになっています。
地場独立系の売上構造とスケール格差が示す課題
地場独立系の売上高トップは松屋の377億円で、次いで天満屋が253億円、藤崎が187億円となりました。上位10社はすべて減収で、10社合計は1,907億円と全国トップの髙島屋1社の約3分の2の規模にとどまります。スケールの小ささは調達や投資で不利になりやすく、コスト上昇局面では収益性に直結します。コロナ禍後に人流やインバウンドは回復したものの、その恩恵は都心の一部旗艦店に偏在しました。多くの地場百貨店は顧客流出と中心市街地の空洞化という二重の打撃を受け、閉店が地域経済に与えるインパクトも大きくなっています。近年は外部機関を活用した事業再生やオーナーチェンジの事例が増加しており、持続可能性に向けた再編が進んでいます。
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