MENU

ニュース

世界共通の「1秒」が変わる? うるう秒の事実上の廃止や「月の時間」も国際会議で議論へ

  • URLをコピーしました!

世界共通の時間の基準が、将来大きく変わるかもしれません。2026年10月、フランス・ベルサイユで開催される第28回国際度量衡総会(CGPM)では、「秒の将来の定義」「うるう秒の今後の運用」「月の時系」などが議論されます。

CGPMは、世界共通の計量単位を定める国際的な意思決定機関です。日本からも産業技術総合研究所の計量標準総合センター(NMIJ)が議論に参加します。

今回の会議では、私たちが日常的に使う時間の基準だけでなく、通信システムや宇宙開発にも関わる重要なテーマが取り上げられます。

「1秒」の定義をさらに高精度に、2030年を目標に研究開発

現在、1秒はセシウム原子の振動に基づいて定義されています。しかし、より高い精度で時間を測定できる光時計の研究が進んでおり、特に「光格子時計」が次世代の時間標準の有力候補となっています。

日本のNMIJでも、数億年に1秒程度の精度を目指す光格子時計の技術開発が進められています。

今回のCGPMでは、2030年を目標に、国際協力のもとで秒の再定義に向けた研究開発を進めることが議論される予定です。

うるう秒の見直しでシステム障害リスクを低減、「月の時間」も検討

もう一つの重要な議題が「うるう秒」です。

うるう秒は、原子時計に基づく協定世界時(UTC)と、地球の自転に基づく時刻との差を調整する仕組みです。1972年の運用開始以来、27回にわたり1秒を追加する調整が行われてきました。

しかし、この調整はコンピューターや通信システムに不具合を引き起こす可能性があります。そのため、今回の会議では、UTCと地球の自転に基づく時刻の差を最大3600秒まで許容し、うるう秒の調整を事実上不要にする案が議論される予定です。

さらに、月面探査や将来の月面基地の建設を見据え、世界共通の「月の時間」をどのように定めるかも議題となっています。月では地球との重力の違いによって時間の進み方がわずかに異なり、宇宙船の航行や通信の精度に影響するためです。

見解として、時間の標準は、通信ネットワークや情報システムなど、デジタル社会を支える重要な基盤です。うるう秒の運用見直しはシステムの安定性向上につながる可能性があり、秒の高精度化や月の時系の整備は、将来の宇宙通信や測位技術を支える取り組みといえます。普段は意識しない「1秒」の定義が、デジタル社会の発展にどう関わっていくのか注目されます。

詳しくは、産業技術総合研究所の第28回CGPM案内をご確認ください。

レポート/DXマガジン編集部

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • イノベーション大賞
  • DSW

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる