最近の飲食店は、デジタルを積極的に活用するケースが珍しくありません。人手不足を背景に、限られたスタッフで店舗運営するための手段として、デジタルを活用する動きが加速しています。では実際にどうデジタル化しているのか。都内のとあるスペイン料理店のデジタル化をレポートします。
今回訪れた飲食店は、スペイン料理店「エルチャテオ 中目黒店」。一番の特徴は、メニューが“ペーパーレス”ということ。つまり、テーブルに紙のメニューを置かず、来店者が所有するスマートフォンをメニュー代わりに利用します。
飲食店を利用する来店者は、テーブルに設置するQRコードを自身のスマートフォンでスキャンし、デジタルメニューにアクセスします。このデジタルメニューから料理やドリンクを選び、そのまま注文できます。
テーブルには「MOBILE ORDER」と書かれたカードとQRコードがあります。これを、スマートフォンのQRコードアプリで読み取ります。
すると、スマートフォンの画面にメニューが表示されました。
画面をスクロールし、食べたいメニューをタップすると、料理の大きな写真が表示されます。注文するには「カートに追加」をタップします。
同様の操作を繰り返し、注文するメニューをすべてカートに入れたら、「注文に進む」のボタンをタップして注文内容を確認します。
注文確認画面には各メニューの注文数量が表示され、同じメニューを2つ3つと同時に注文することもできます。最後に「注文を送信する」のボタンをタップすると、注文が完了します。
顧客としてデジタルメニューを使って感じたのは、団体でも一人ひとりがメニューをゆっくり見られるのが利点だということ。紙のメニューを順番に見る必要はないし、誰かが見ているメニューを逆さまに覗き込むなんてこともなくなります。「これ美味しそうだね、頼んでいい?」というときは、スマートフォンの画面に表示する料理の写真を相手に見せるだけで、どの料理なのかを相手に容易に伝えることができます。
店内が混雑し、店員を呼んでもなかなか来ないときでも、スマートフォン経由で注文を完了できるのもメリットです。「忙しそうで店員を呼びにくい」などの場合も、気遣うことなく料理を注文できるのはありがたい限りです。
一方、デジタルメニューを導入する飲食店も当然メリットを見込めます。具体的には、注文の正確性が向上するほか、店員がテーブルまで行って注文を確認する手間も省けます。注文時に来店者を待たせることがなくなるので、来店者の満足度向上も期待できます。
メニューのないスマホ注文レストランは、テクノロジーを通じて飲食店の運営を効率化し、顧客体験を向上させる画期的なコンセプトです。この新しい注文方式は、飲食業界における未来の標準になるのではと感じました。
関連リンク
エルチャテオ 中目黒店
https://www.vidriog.co.jp/elchateo/index.html