2024年10月24日、チリ・サンティアゴにてOECD(経済協力開発機構)とチリ教育庁が共同で開催した「新世代のエンパワーメント 社会性と情動のスキルを世界で育むグローバルカンファレンス」に、日本からrokuyouの代表取締役である下向依梨がパネラーとして参加しました。このカンファレンスは、社会性と情動のスキル教育(SEL)の重要性がますます認識される中、SELに関する国際的な視点を共有するための重要な機会となりました。
SELは、個人の社会的・情動的能力を育むための教育方法です。このアプローチは、思考力や知識の向上だけでなく、感情管理、対人関係、決断力、共感といった非認知スキルの重要性を強調します。近年、グローバルな環境において、教育現場でのSELの必要性が増しており、世界中の教育機関でこの枠組みが導入されています。特に、以下のような効果が期待されています。社会性や情動のスキルは、学業成績の向上や自尊心の育成に寄与すること、向き合った問題解決能力やストレス管理能力が向上し、精神的健康の改善にもつながることです。
「Empowering the New Generation Nurturing Social and Emotional Skills Around the Globe Global Launch」では、17の国と地域からの代表が集まり、SELを推進する政策や実践について意見を交わしました。rokuyouの下向は、参加者たちと共に社会性と情動のスキルを促進するための具体的な取り組みや、その効果を議論しました。OECDが行った「社会性と情動のスキル調査(Survey on Social Emotional Skills; SSES)」の出た結果をもとに、各国の取り組みの違いや共通点を掘り下げる貴重な機会となりました。
rokuyouは、全国で100校以上の教育機関に対しSELに基づく伴走支援やカリキュラム制作を行っています。このカンファレンスを通じて、SELが日本の教育においてどのように実装されるべきか、そしてSELを通じた教育改革の可能性について情熱を持って語りました。特に、教員の専門性を高め、社会性に対する認識を根付かせる重要性を強調し、SEL教育の理論と実践を融合させた新たな教育モデルの必要性を訴えました。
日本においては、SEL教育の推進がまだ十分ではないとの調査結果が出ています。下向氏は「学校現場だけでなく、家庭や地域社会を巻き込んだ包括的なアプローチが必要である」と力説し、その実現に向けた道筋を示しました。SELの導入が、学業成績の向上だけでなく、生徒の社会的スキルや情動的健康を促進することが期待されています。これにより、日本の教育現場が抱える多くの課題に対する解決策を見出すことができると考えられています。
SEL教育の重要性が今後さらに高まる中で、rokuyouの活動がどのように社会に影響を与えるのか、そしてSELを通じた教育改革が日本において実現されるのか、今後の展開が期待されます。
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執筆:小松由奈