2024年4月から施行される時間外労働の上限規制は、トラック輸送業界に大きな影響を及ぼす「2024年問題」として取り上げられています。この新たな規制により、供給能力の低下やサービスの質が懸念され、業界全体がその影響を受けています。特に、2019年度と比較して2024年度は輸送力が14.2%不足するという試算が示されており、「モノが運べなくなる」リスクが高まっています。
最近の帝国データバンクの調査では、トラック輸送事業者の「景気DI」は44.1と低迷しており、燃料費の高止まりや人手不足が業績に深刻な影響を与えています。企業はこの状況に対策を講じ、燃料の効率化や適正な運賃設定を通じてコスト管理を行っています。また、人手不足を解消するために、新しい技術やシステムの導入も進めています。
加えて、配送効率の向上が求められる中で、企業はパレット輸送や中継輸送、車両の大型化、共同配送などを実施しています。これにより業務の効率を高め、コストを削減することが可能となっています。
持続可能な物流を実現するためには、運送業者、荷主、消費者が協力し合い、物流全体を円滑に進める仕組みが重要です。法令遵守を徹底しつつも、新しいビジネスモデルの構築が求められている今、トラック輸送業界は変革の時を迎えています。
レポート/DXマガジン編集部香田