初対面の相手には少なからず警戒心を抱くもの。だからこそ初対面の相手と良好な関係を築きたければ、相手が最初に抱くであろう警戒心をどれだけ拭えるかが重要です。相手が抱く警戒心や不安を払しょくするには何が必要か。初対面時に気を付けるべきこととは何か。これらの答えの1つとなる「堂々とした態度」が必要な理由と堂々さを表す具体的な言動を考えます。【週刊SUZUKI #132】
仕事を通じて初めて会った人の印象、それは初対面のときに交わした挨拶や会話、態度が大きく影響します。さらに、そのときの印象がその後の関係にも大きく影響します。それだけ初対面時の印象は重要で、丁寧かつ慎重な対応が求められます。とりわけ話す際の態度は、相手に与える印象の大部分を占めます。話す内容や話し方、仕草、視線など、一挙手一投足が印象を決定付けるといっても過言ではありません。
では初対面の相手と話す際の態度はどうあるべきか。何より気を付けるべきは、堂々とした態度で話すことです。自信を感じられない態度は相手を不安にさせるからです。多くの人は初めて会う相手に対し、警戒心を少なからず抱いています。そのような状況で声が小さかったり消極的だったり、さらにはオドオドしたり恥ずかしがったりといった態度では、警戒心を払しょくできません。「この人は大丈夫だろうか」、「本当に信頼できるのだろうか」といった疑念がむしろ膨らむばかりです。一度芽生え疑念はなかなか取り除けず、相手と良好な人間関係を長きにわたって阻害しかねません。
堂々とした態度で相手に自信を感じさせるには、落ち着いた姿勢と所作、はっきりとした発声、相手の目を見て話すことを意識すべきです。これら全てに配慮し、相手の警戒心を解くようにします。
どんな状況でも慌てない態度も大切です。相手からの想定外の質問や突然のトラブルが起きても、すぐに感情的にならず落ち着いて対応します。こうした言動が、堂々たる人物像を形作ります。その冷静さが相手に安心感を与え、信頼を勝ち取る要因となります。
簡潔で迷いのない話し方にも気を配るべきです。回りくどく説明したり不必要に言葉を繰り返したりせず、要点を押さえてシンプルに話すようにします。曖昧ではなく明確な言葉選びは、「自分の考えに確信を持っている」と相手に感じさせ、説得力が高められます。
初対面時に堂々とした態度で臨むには、普段の態度を見直すことが大切です。会議中や商談中にスマートフォンをつい触っていませんか。プレゼン資料を小さな声で読み上げていませんか。上司から厳しい指摘を受けたときに、顔をしかめたり言い返したりしていませんか。堂々さを示すには、こうした一つひとつの言動を改めることから始めるべきです。日々の教訓を積み上げることで、人は堂々とした態度を示せるようになるのです。その自信が相手の不安を和らげてくれるのです。
【外交の心得 その9】

筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。






















