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コラム

自分を理解するなら、自身の興味の幅と深さをガラス張りにせよ!

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自分自身と向き合い、自分を理解することが人間関係には何より大切。とは言うものの、「自分をどう理解すればいいのか分からない」という人は多いはず。そこでここでは、自分を明確に理解する方法として、興味の幅と深さを探ること、さらにガラス張りにすることの大切さについて解説します。【週刊SUZUKI #135】

自分自身をどれだけ理解しているか…。この問いと向き合い、自分を深く理解しようとすればするほど、周囲との良好な人間関係を構築できるようになります。人間関係とは、相手を理解するよりも先に自分自身を徹底的に理解することが大切です。

では、どのように自分を理解すべきか。このプロセスでもっとも重視すべきが、「自分の興味の幅と深さをガラス張りにすること」です。「ガラス張り」とは、隠し事がなく、透明性がある状態を指します。つまり、自分の興味の対象や知識のレベルを、自分自身だけでなく、他者からも明確に見て取れるようにします。これにより、他者はあなたがどんなことに興味があり、どれほどの知識を持っているかを理解しやすくなります。こうした他者による理解が、良好な関係を築くきっかけとなるのです。

一方、「興味の幅」は、興味を持っているジャンルの数を意味します。例えば、ビジネス、IT、経済、歴史、スポーツ、芸術など、どれだけ多様な分野に興味を持っているのかを示します。ジャンルの数が多いほど、知識に「幅」を与えることになります。さらに、さまざまなバックグラウンドを持つ人との会話のきっかけを作るのに役立ち、お互いの共通点を見つけやすくします。「興味の幅」が、周囲との良好な関係を築きやすくするのです。

これに対し「興味の深さ」は、興味を持っている期間を意味します。例えばIT業界なら、最新のクラウドやAIだけではなく、過去の汎用機やアセンブラの時代、そして2000年代初頭の日本のERP導入失敗事例まで語れると、その知識に「深み」が生まれます。流通業界なら、百貨店からスーパー、チェーンストア、コンビニ、専門店、そしてオムニチャネルへと変遷してきた歴史を語ることで、相手はあなたの知識の奥行きに感銘を受けるでしょう。各興味に対し、どれだけ深い知識を持っているか、どの期間のことならよく知っているのかを明確にします。

「興味の幅」と「興味の深さ」を掛け合わせた「興味の広さ」が、自分自身をどれだけ理解しているかにつながります。なお、「興味の広さ」を広げるための努力を惜しむべきではありませんが、闇雲に広げるのは望ましくありません。まずは「興味の幅」と「興味の深さ」を自分自身がしっかり把握し、「何に興味があるのか」、「興味はいつ頃の話なら語れるか」を分かっておくようにすることが大切です。その上で特定の分野にまったく興味がなければ、視野を広げるために勉強すべきです。周囲との共通点を見つけるためにも、さまざまな分野にアンテナを張る好奇心を持つよう心掛けるべきです。

あなたはどんな分野に興味・関心がありますか。その分野についてどれだけ深く、長く理解していますか。特定分野の特定期間だけに興味を示すのではなく、さまざまな分野について広く学ぶ意識を持つべきです。その姿勢が他者との間に信頼を築くきっかけとなるのです。良好な関係を築きやすくする基盤となるのです。

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筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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