「夢」や「志」を持たなければ人生は無意味です。叶えるためにどんな努力を重ねたのか、どう行動したのかにこそ、人の生きる価値があります。さらに、限界を設けず大きくすることも大切です。大きければ大きいほど、日々の生活が充実します。人生が豊かになります。ここでは大きな夢・志を持つことの大切さと、その描き方について考えます。【週刊SUZUKI #62】
夢・志は、長い人生を楽しく豊かに過ごすための術です。「人々を幸せにしよう」「人がやらなかったことを為し得よう」「新しい何かを発見しよう」。こうした考えの先に必ずあるのが夢・志です。夢・志を膨らまし、大きくすればするほど人生プランも壮大になります。夢・志はただ持てばよいというものではなく、どれだけ大きく描けるかに目を向けることが大切です。
当初の夢は具体的でなくても構いませんが、大きな夢を持つようにします。夢は大きければ大きいほど、さらには手に届かないと思うくらい壮大なものを持つべきです。小さな夢・志にとどまってはいけません。いくら困難で実現しにくくても、大きな夢・志に挑み続けるべきです。
大きな夢に挑めば「叶えるためには何が必要か」「今の自分に何が足りないか」と必ず考え、自分の行動を見直すようになります。その行動を重ねることで、やがて夢は具体的のものになります。まずは夢に向かって一歩を踏み出すことに価値があるのです。どんなに遠く儚く険しい道でも、小さな歩みをコツコツ続けられるかどうか。その姿勢で夢・志に挑み続けることが、日々の生活を充実させてくれるのです。長い人生を楽しく豊かにしてくれるのです。
では、大きな夢・志をどう描けばよいのか。大切なのは、自分の「枠」にとらわれないことです。大きな夢・志とは、それが成就にしたときに、多くの人々に影響を与えます。反対に、小さな夢・志は、自分や自分の周囲にだけ影響を与えるものです。そういう意味で、夢を・志を描くときには、自身のこれまでの価値に引きずられることなく、制約や制限なしに描くようにします。「自分だけの満足」「自分にできそうなこと」などの固定観念も捨ててください。そして、より多くの人々が幸せになる将来、それを実現している自身の将来を思い描き、自身の可能性をとことん追求すべきです。
夢・志を叶える長期的な視点も大切です。今は、人生100年時代。人生を1つの旅としたならば、最終ゴールは、天寿を全うするときです。例えば、あなたが30歳だとしたとき、80歳までに成し得たいゴールが見えたとき、「70歳までに○○、60歳までに○○、50歳までに○○、40歳までに○○」といった段階的な中間点を描くようにします。このように夢を長期視点で、段階的に深堀りすることで、具体的にどう行動すべきか、今の自分に何が足りないのかを自覚できるようになります。
夢・志は自分の可能性を大いに広げます。これまでの枠に収まらない発想が、これまで経験したことのない人生を与えてくれます。あなたの描く夢・志は、これまでの人生の延長線上にとどまっていませんか。何の変哲もない月並みな夢・志を描いていませんか。こうした夢・志を描いているなら、まずはこれまでの自分を忘れて理想を模索してみてください。その夢・志の実現に向けて一歩を踏み出したとき、成長への歩みが始まります。
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任