DXで事業を創出、もしくは事業を拡大した企業はどんな点に気を付け、成功へと突き進んだのか。「DXスタートアップ革命 第15回」は、知識や技術などを販売できるプラットフォームを展開するMOSH。業界の課題にどう切り込み、DXをどう進めていったのか。同社の取り組みを紹介します。なお、本連載は日本経済新聞出版「DXスタートアップ革命」の内容をもとに編集しております。
個人の「知識」や「技術」「経験」を販売する――。インターネット経由でこれらをサービスとして提供するプラットフォームを展開するのがMOSHです。
プラットフォーム「MOSH」を利用するユーザーは主に、ヨガやフィットネスクラブのインストラクター、理美容師、鍼灸師などの個人事業主。さらにはミュージシャン、ダンサー、芸人、カウンセラー、スタイリスト、英会話講師など多岐にわたります。
こうしたユーザーに対し同社は、集客用のホームページ作成や予約決済、月額サブスクリプション、オンラインレッスンなどの事業に必要な機能を提供します。スマートフォンしか使わないユーザー向けにサービスを提供するなど、多くの人が利用できるようにしています。
新型コロナウイルス感染症の影響により登録者数は急増し、多くの事業がプラットフォームに関心を寄せるようになっています。「オフラインの店舗やスタジオを利用する事業主は、新型コロナウイルス感染症で事業の見直しを迫られた。こうした事業主にとって認知度があり、手に取りやすいサービスとして当社のMOSHを選んでいただけたのではないか」と、MOSH 代表取締役 CEOの藪和弥氏は指摘します。
プラットフォームの強みは、ユーザーがオフィシャルなホームページをスマートフォンだけで容易に持てること。オンラインサロンやイベント、デジタルコンテンツの販売などの機能を備えるホームページを用意し、「知識」や「技術」「経験」をサービスとしいて提供しやすくしています。
新型コロナウイルス感染症をきっかけに事業のオンライン化に舵を切る事業者は少なくないそうです。ある個人事業主の場合、6店舗の運営を月4回のオンラインレッスンに切り替え、年間1億円稼いでいると言います。店舗のみの運営より粗利も増えています。
今後について藪氏は、集客、チーム、場所の必要性を模索します。「客付けできない事業者向けにMOSHで集客する仕組みを検討したい。吉本興業のようなチームの活動がよりスムーズになる“チーム型MOSH”、レンタルスペースのように店舗を持たずにオフラインの場所を提供する機能も追加したい」(藪氏)と、プラットフォームの機能強化を見据えます。
Information | |
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企業/団体名 | MOSH株式会社 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
事業内容 | インターネットビジネスの企画・開発・運営 |
取り組む課題 | コロナで大打撃を受けた、店舗やスタジオなどを運営・展開する事業者を救いたい |
解決策 | 事業のオンライン化を支援するプラットフォーム「MOSH」を提供する |
本連載は、日本経済新聞出版刊行の「DXスタートアップ革命」の内容を一部編集したものです。
日本経済新聞出版「DXスタートアップ革命」(守屋実監修)
日本経済新聞出版「DXスタートアップ革命」(守屋実監修)
筆者プロフィール
守屋実
1992年、ミスミ入社、新規事業開発に従事。2002年、新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口弘氏と創業、複数事業の立ち上げと売却を実施。2010年、株式会社守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立ち上げに参画、副社長を歴任後、ジーンクエスト(ユーグレナグループ)、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA(博報堂グループ)、AuB、みらい創造機構、ミーミル(Uzabase グループ)、JCC、テックフィード、キャディ、セルムなど数々の企業の役員、理事などを歴任。JR東日本スタートアップのアドバイザー、JAXA上席プロデューサー、博報堂フェロー、内閣府の有識者委員などを務める。2018年にブティックス、ラクスルを2カ月連続で上場に導く。著書に『新しい一歩を踏み出そう! 』(ダイヤモンド社)。近著は『起業は意志が10 割』(講談社)。