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インフラやソリューションと人とのつながりを深めたい、DXHUB澤田社長が描く変革の姿

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今回は、DXHUB 代表取締役社長の澤田賢二氏が登場。中学生のときから働き始め、若くして独立、起業に踏み切った経緯に迫ります。さらに、外国人人材を日本企業に送り出したいと考える澤田社長の思いとは。DXHUB設立に至ったこれまでの経緯と、現在の事業、さらには今後の展開について、DXマガジン総編集長の鈴木康弘が切り込みます。【夢を実現していく変革者たち。~SUZUKI’s経営者インタビュー~ #8】

ラーメン店でのバイトで知った商売の面白さ

鈴木:澤田社長のこれまでの生い立ちを教えてください。

澤田:振り返ると、働き始めたのは中学1年生のときですね。母子家庭だったことから、経済的な支えが早く欲しかったというのが主な理由です。近所のコンビニエンスストアで商品の品出しなどをしていました。もっとも、時給がとにかく安かった。そこで1年ほど働いたとき、オーナーに時給アップをお願いしたら3円だけアップしてくれましたね(笑)。そんなこともあり、ほかのアルバイトを探すことにしたんです。

中学2年生になると、ラーメン店で働き始めました。いろいろな雑務を経験する中で、商売の面白さを味わえたのは大きな経験です。ラーメンを何杯売ったら利益を生み出せるのか、原価の高い食材をどのタイミングで発注すべきかなどを考え、商売に徐々にのめり込むようになりました。中学3年生になると店を任せてもらうようになるほどでしたね。ただ、中学校の先生にアルバイトしているのが見つかり、働けなってしまいました。

写真:DXHUB 代表取締役社長 澤田賢二氏

鈴木:激動の中学生時代ですね(笑)。中学生のときに商売の面白さを知ったというのが驚きです。

澤田:高校生になってもバイクを売買するなど、何かしらの商売に関わっていましたね。卒業後は経営に早く携わりたいという思いから、進学せず社会に飛び込みます。とはいえ、すぐに経営者になれるわけではありません。そこで弁当屋で働き始めました。いずれは独立したいとオーナーに伝えた上で働き始めたんです。それから1年後、オーナーが新たに出店するという話があり、そこで店長として働くつもりでいましたが、私に任せられないと言われ、そのまま辞めることになったのです。

その後、いくつかの職を経験し、20歳のときに独立しました。個人事業主として、携帯電話や通信サービスを販売する仕事に従事しました。これ以降、セールスやマーケティングの領域で経験を積むことになります。

鈴木:社会に出てからもいろいろな経験を積んでいますね。その後、会社を起こしたのでしょうか。

澤田:はい。30歳を過ぎた2004年、イメージワークスという会社を起業しました。通信事業社の販売代理店として、通信サービスを訪問販売していました。当時は国が予算を設けて光回線網を普及させようとしていた時期でした。こうした追い風もあり、売上を大きく伸ばしましたね。従業員も100人くらいまで増えました。

鈴木:しかし、普及期に乗じたビジネス。いずれは大きな成長を見込めなくなるわけですね。

澤田:その通りです。初めから終わりの見えたビジネスだったわけです。さらに通信事業社とは四半期に一度、価格交渉があり、毎回単価は下がりかねない状況でした。「何万円も下がる」という噂ばかり聞こえ、常に恐々としていましたね。新たなビジネスを模索せねば。そう考えるようにもなっていきました。

Sansanのトップリセラーとしての地位を確立

鈴木:通信サービスを販売する事業に頼り切りでは先細りになりかねない。そんなとき、澤田社長にとって転機が訪れるわけですね。

澤田:通信サービスを販売する事業と入れ替わる形で、名刺管理サービス「Sansan」の販売業務を請け負うことになったんです。私自身、アポイントメントを取った顧客先を訪問する際、担当者のフルネームや部署名を忘れることが多く、その都度、会社に電話して名刺を探してもらっていたんです。こうした煩わしさをなくしたい。そう考えて、名刺管理サービスを自身で調べ出したのを機に、Sansanの販売業務を担うようになりました。まずはユーザーとしてサービスを利用し、使い方を覚えたのが販売業務に非常に役立ちましたね。もちろん、売上がすぐに伸びたわけではありません。しかし、Sansanの販売業務は私が追い求めていたストック型のビジネスを徐々に成長させる足がかりとなったのです。

鈴木:Sansanを始めとするSaaSの販売業務以外の事業も展開していったのでしょうか。

写真:DXマガジン 総編集長 鈴木康弘

澤田:販売代理業務に注力しつつ、それ以外のビジネスも模索していました。そんな中、中国に豊富な人脈を持つ社員が仲間に加わり、外国人向けのサービスを探るようになったんです。そこで「Baidu SIM」というSIMカードを新たに販売することにしました。中国のバイドゥのメンバーと一緒に、訪日客の利用を想定したSIMカードの販売に踏み切ります。訪日客からの評判はよく、売上も順調に伸ばしていきましたね。このとき、SIMカードの販売をイメージワークスではなく別会社にすべきと判断。2015年に訪日客に特化した通信事業社としてジェイピーモバイルという会社を設立しました。

鈴木:SIMカードを販売する事業はその後も順調に推移したのでしょうか。

澤田:多いときは年間で二十数万枚ものSIMカードを販売しました。ただ、取扱い枚数は多いものの、利益に限れば必ずしも儲かっていたとは言えない状況でしたね。利用上限が6GBや10GBといったSIMカードを取り扱う中、データ無制限を謳う中国系の事業社が現れたんです。もちろん同価格帯で無制限なんて訳がない。しかし価格競争を強いられるようになり、思うように事業を拡大できませんでした。

一方、訪日客向けではなく、長期滞在する外国人の利用を想定したSIMカードの販売にも着手します。日本に滞在する外国人の場合、在留カードがすぐに発行されるわけではない、銀行口座を開設しようとすると電話番号を求められる、電話を契約しようとすると銀行口座を求められる、といった具合に八方ふさがりになるケースが珍しくありませんでした。そこで、こうした長期滞在者向けに「JP SMART SIM」というサービスを提供しました。料金を先払いにする代わりに審査を簡単にするSIMカードを販売したのです。これが人気を集めました。さらに、民泊事業者向けのWi-Fiサービスや、研究所などの利用を想定したIoT向けSIMカードを取り扱うなど、大きな市場ではないニッチな領域を攻略していきました。その結果、ストック型のビジネスとして収益を上げられるようになっていったのです。

なお、ジェイピーモバイルは2020年2月、イメージワークスを吸収して経営統合。DXハブという社名に変更しました。さらに2020年7月には社名を現在の「DXHUB」に変更しました。

鈴木:SIMカードを使った通信事業ではニッチな市場で確実にシェアを伸ばせるようにする。ユニークな視点ですが、理にかなった戦略ですね。一方、Sansanを始めとするSaaSを販売する事業に目を向けると、Sansanを取り扱う販売代理店の中で、御社はトップリセラーだと聞きます。なぜ、Sansanを多く販売できるのでしょうか。

澤田:当社では現在、Sansanのほかに会計や労務、SFAなど、数十ものSaaSを取り扱っています。しかし、Sansanを扱い始めたばかりのころ、Sansanを徹底的に販売する専属スタッフのような社員が数名いました。数あるSaaSの中の1つがSansanと捉える競合他社と違い、Sansanだけを集中的に販売していたんです。こうした専門性が高い成約率につながったと思います。自分たちでサービスを使い倒し、どう活用すれば効果を出せるのかを体験談として顧客に提案できるのも強みでした。さらに名刺管理というサービスの価値に自ら気付き、顧客に対してその思いを真剣に伝えていたのも成果につながっていると思います。

鈴木:販売業務を委託するSansanも心強かったでしょうね。

澤田:当社の実績を評価していただき、現在はSansanを取り扱う多数のディストリビューターを当社で一元的に営業サポートするようになっています。ディストリビューター経由で受注確度の高いリードを紹介してもらえるため、当社も成約率をより高められるようになるわけです。全国のどこにでも足を運んでサービスを案内することになりますが、商談の精度も以前に比べて高くなっていると実感します。

日本企業で勤務経験を積ませた外国人の就職・雇用創出を後押し

鈴木:DXHUBとして今後、どんな事業展開を視野に入れますか。

澤田:今後は「外国人人材で企業を変革する」といった事業を展開できればと考えます。具体的には、SaaSの活用に精通する外国人を日本企業に送り出する事業を模索します。

多くの日本企業は今、人材不足に直面しています。中小企業に限ると、新卒の採用さえ見込めない。そんな危機的状況に陥っています。一方で、留学生に目を向けると就職率は低く、日本では就職志望者の半分も希望職種にありつけない状況が続いています。こうしたミスマッチをなくしたい。微力ながら、当社がその一翼を担えればと考えます。

当社では現在、社員の約3分の1を元留学生などの外国籍の人材が占めています。そこで、当社でSaaSの活用や営業、CSの業務経験を積んだ外国人DX人材を他の日本企業に送り出せればと考えます。日本企業の中には、日本の企業での勤務経験のない外国人を採用したがらないケースが見られます。こうした企業に対し、当社で数年勤務した外国人を送り出せればと考えます。さらに、当社では企業の業務を支援する各種SaaSを取り扱っています。これらの使い方を熟知した外国人を送り出せるのも強みになると考えます。即戦力となる外国人を派遣したい。そのための体制づくりに余念がありません。

鈴木:外国人向けの事業を展開してきた御社ならではの視点ですね。

澤田:ありがとうございます。当社の主力事業である通信事業とSaaSを使ったソリューション事業に、人を組み合わせた事業を展開したいと考えています。例えば中小企業の場合、SaaSを提案しても使える人材がいないと断られてしまいがちです。しかし、SaaSに精通する人材とSaaSを組み合わせて提案すれば、中小企業の可能性は大きく膨らむに違いありません。多くの企業が人を求めているなら、企業の課題を解消する方策と組み合わせて提案できるようになりたいと思います。

鈴木:通信やソリューションと人をつなぐ。DXHUBという御社の社名の通り、デジタルで企業の変革を支援するというわけですね。

澤田:「DXHUB」にはまさにそのような思いを込めています。現在は通信事業、SaaSのソリューション事業は別々という感が否めません。しかし、いずれは事業を融合し、人材を組み合わせた新たな事業を加速できればうれしいですね。その結果、当社の事業が企業の変革を後押しできれば何よりです。

鈴木:人材不足に直面する企業の経営者に対し、外国人人材を積極的に活用する上でのアドバイスがあれば教えてください。

澤田:外国人人材は日本の商習慣や文化が分からないと、臆する必要はまったくありません。経営者の方々に対し、上からモノを言うつもりはありませんが、ぜひ外国人を積極的に受け入れてほしいと思います。

外国人人材を受け入れるときに気を付けるのはルールです。ルールさえ示せば、外国人はルールに従ってきちんと働きます。曖昧なルールは禁物です。自社がどんな働き方を推奨しているのか、どんな姿勢で仕事に臨むべきかなどを明確化することが大切です。新たにルールを設ければ、これまでの働き方を見直す契機にもなります。外国人を許容する姿勢を打ち出し、自社のルールや風土も一新してほしいと願います。

鈴木:澤田社長がこれまでに影響を受けた偉人や経営者がいたら教えてください。

澤田:エン・ジャパンの取締役会長である越智通勝さんには大変お世話になっています。2006年に京都で越智さんをご紹介いただいたのを機に、今も親交させていただいており、弊社へご出資もいただきました。上場企業をまとめる重要な役職ながらユーモアのある人で、その一方でお金にはシビア。経営者として大いに参考になりますし、考え方も大変共感しますね。

鈴木:澤田社長のアイデアの源泉は、越智氏の影響を少なからず受けているのかもしれませんね。最後に、これからを担う若者にメッセージをいただけますか。

澤田:「始めたことを好きになる才能を磨く」。この言葉を贈ります。自分で決めた道を肯定してください、好きになってください、と言いたいです。好きなこと、やりたいことを仕事にできるのは何よりの理想です。しかし、それに囚われすぎ、もっと自分に合った仕事が他にあるのではと常によそ見をしてしていると、成長の機会を逃してしまいます。自身で選択し、始めたことを好きになる意識を持つことで肯定感が生まれ、その道に精通することができるようになります。周りからの評価も得られ、新しいチャンスも舞い込みます。始めたことをまず好きになり、突き進んでほしいなと願います。

鈴木:中学生のときからいろいろと経験してきた澤田社長ならではのお言葉。とても心に響きました。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

澤田:こちらこそありがとうございました。


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