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2024年問題に立ち向かう!マンション内配送サービスの実証実験

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近年、インターネット通販の拡大や多様化するライフスタイルにより、宅配便の取扱個数は年間約50億個に達しています。その影響で、物流業界は急激な変化を経験しており、これに伴う再配達率の増加は深刻な社会課題となっています。特に、2024年度に向けた政府の政策パッケージでは、再配達率を6%に抑えることが目標とされており、現状の10.4%という実情からも早急な対策が求められています。このような背景を受け、大和ライフネクスト株式会社は再配達問題を解決し、マンション居住者の利便性を向上させるために、画期的な「マンション内配送サービス」の実証実験を実施します。これにより、居住者が抱える不便を解消し、より効率的な物流システムの構築を目指します。

大和ライフネクストの「マンション内配送サービス」は、宅配会社とマンション管理会社が連携して、マンション内での配送を効率化する取り組みです。このサービスの仕組みは、まずマンション管理員が各宅配会社(日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便)から全住戸分の荷物を一括で受け取り、専用倉庫に保管します。この段階で、再配達のリスクを低減し、居住者の負担を軽減することが可能です。次に、日常的にマンション内を熟知している管理員が各住戸に荷物を届けます。この際、居住者が不在だった場合でも、既存の宅配ボックスや置き配のルールに基づいて、適切に荷物を扱うことができます。もし配送が完了しなかった荷物に関しても、管理事務室や専用倉庫で一時保管され、居住者は業務時間内であればいつでも荷物を受け取れる利便性が確保されます。これにより、住まう人々の負担が大幅に軽減され、よりスムーズな暮らしが実現されるでしょう。

本取り組みの目指すところは、家庭での利便性の向上に加えて、宅配会社の効率化にも寄与する点です。これまで、マンションのエントランスで各住戸に対する個別の配達が行われていたため、多くの時間と手間がかかるものでした。しかし、マンション単位での一括配送を採用することで、ドライバーの負担が軽減され、配送の効率化が図られます。居住者にとっても、これまでのインターホンの鳴動から実際の配達までの待機時間が大幅に短縮されるため、利便性が向上します。また、同じマンション内において、別々の宅配会社からの荷物を一度に受け取ることができる点も大きなメリットです。加えて、管理員が身近な存在として荷物を配達するため、安心感も増し、暮らしの質が向上します。

この新たな仕組みは、宅配業界だけでなく、マンション管理業務の新たな付加価値創出にも寄与します。管理員が配送業務の一部を担うことで、マンション管理会社は顧客満足度の向上を図りつつ、新たなビジネスモデルを開発するチャンスを得ることができ、持続的な収益増加も期待されます。また、社会全体のCO2排出量削減にも寄与する取り組みとして評価されるでしょう。再配達の回数が減ることで、物流業界での車両の走行距離が短縮され、環境負荷の軽減が見込まれます。これにより、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことができるのです。

大和ライフネクストが提案する「マンション内配送サービス」は、物流業界の2024年問題に立ち向かう具体的な手段として非常に有望です。2024年11月11日から始まる実証実験では、東京都中央区にある約200戸の分譲マンションにおいて、新しい配送の仕組みが試みられます。この実証実験を通じて、居住者にとっての利便性を最大限に高めると同時に、宅配業界の効率化、さらには環境負荷の軽減を図ることを目指します。未来の「再配達ゼロ」を実現するために、この取り組みが多くのマンションに広がることを期待しています。

執筆:香田雄大

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