JTBはアプライドロボット、東芝デジタルソリューションズ、SUNRealityと共同で、IoT技術を活用した企業共創型課題解決プログラム「ifLinkスタートアップCamp!」を開発し、2024年12月19日より販売を開始しました。
本プログラムは、東芝デジタルソリューションズが開発したIoTプラットフォーム「ifLink」と、JTBがもつ教育プログラムのノウハウを組み合わせることで、子どもたちに実践的な学びを提供することを目指しています。ifLinkを用いれば、IoT機器やウェブサービスをモジュール化して簡単に組み合わせできるため、プログラミング初心者でも創造的なアイデアを形にしやすいのが特長です。今回の取り組みでは、JTBが教育機関や自治体に向けて広く販路を持つことを活かし、IoTを切り口にした探究的な学びを全国の中学校・高等学校に届ける方針です。
ifLinkスタートアップCamp!では、「課題解決の手段としてデジタル技術を学ぶこと」「人間ならではの創造力や発想力を育むこと」「多様な立場の人々との共創を体験すること」の3点を重視し、産・学が協力して社会課題を解決するプロセスを生徒が体験できるよう設計されています。学校現場としてはリアルな社会との接点が得られるメリットがあり、企業としても新しい視点を持つ学生との連携から得られる発見や、企業イメージの向上などの利点があります。
プログラムの背景として、学校教育と産業界の間には、双方がそれぞれの課題を抱えながらも連携の機会が乏しい現状がありました。今回のようにIoTを活用したプロジェクトに生徒が参加することで、実社会とつながりながら探究学習を進め、デジタル技術を活用した課題解決の経験を積むことが可能になります。さらに企業側も、社会における新しい価値創出につながる柔軟な発想やアイデアを期待できます。
プログラムに関する具体的な役割分担では、JTBが全国の教育機関や自治体などへの営業活動とプログラム提供を行い、アプライドロボットがデジタルイノベーション体験ツール「ifLink EX」を提供、東芝デジタルソリューションズがifLinkのライセンスやプラットフォームを提供し、SUNRealityが実施時のファシリテーションを担当する形となっています。
今後は主に全国の公立・私立の中学校や高校を対象に、このプログラムを提案していく予定であり、DXハイスクールなど、文部科学省が推進する高等学校DX加速化推進事業の採択校への導入も視野に入れています。学校教育の現場と企業を結びつける本プログラムを通じて、課題解決思考を備えたデジタル人材の育成や、産学連携による新たな価値創造に貢献していく考えです。
レポート/DXマガジン編集部折川